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【一所懸命】(いっしょ けんめい) [かわうそ@暦]

【一所懸命】(いっしょ けんめい)
 1.賜った 1ヵ所の領地を生命にかけて生活の頼みとすること。 また、その領地。
  太平記33「一所懸命の地を没収せらる」
 2.物事を命がけですること。必死。一生懸命。「試験を控えて一所懸命に勉強する」《広辞苑・第六版》

 「一か所、誤字があったので直してください」指摘された箇所を見ると「一所懸命」が「一生懸命」に直されていたということがありました。常日頃から隅掘り隊の皆さんのご厄介になっている私ですので、誤字脱字は得意中の得意なのですが、この場合は珍しく誤字ではありません。本人は、一所懸命に「一所懸命」と書いたのです。この言葉、辞書の説明にもあるとおり、本来は「一所懸命」でしたが、これが転じた「一生懸命」の方が近頃では幅を利かせているような具合で、その結果として「一所懸命」は誤字というかわいそうな扱いを受けてしまったのでした。「一生懸命」で辞書を引くと【一生懸命】(いっしょう けんめい)イッショケンメイ(一所懸命)の転。 《広辞苑・第六版》のようにさらっと一所懸命の転である旨、書かれています。武士が領地として賜ったその土地一カ所を大切に守ることから「一所懸命」と云われれば、なるほど一生より一所の方がぴったり来ることが理解出来ます(いじましいような気もしますが、切実感はたっぷり)。今は封建時代の武士のように与えられた領地でもって暮らしているという時代ではありませんから、一所(ひとところ)を守るということがピンと来なくなって、「一所」が音的によく似た「一生」と入れ替わり、命がけで守るという意味で使われるようになったのかも知れません。「一所懸命」と「一生懸命」、皆さんはどちらをお使いでしょうか?(『2018/04/11 号 (No.4211)』の抜粋文)
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