SSブログ

アメリカノウゼンカズラ(亜米利加凌霄花)! [ヘッダー画像]

230725no39.JPG
別名:コノウゼンカズラ(小凌霄花)
2023.07.25撮影
nice!(0)  コメント(0) 

鰻と蒲焼きをめぐる話 [かわうそ@暦]

□鰻と蒲焼きをめぐる話
 今日は土用丑の日(2023/07/30)ということで、昨日辺りから頻繁に鰻と蒲焼きのニュースが取り上げられます。ここは時流に乗ることにして私も鰻と蒲焼きをめぐる話をすることにしました。

◇今年の土用丑の日は1回だけ
 まず暦らしく土用丑の日の話から。今年は7/30の1回だけが、土用丑の日ですが、年によっては土用丑の日が2回ある場合もあります。2回の土用丑の日がある場合は最初を「一の丑(いちのうし)」、二度目を「二の丑(にのうし)」などと呼んで区別します。二の丑まである年だと、鰻にとっては、一の丑の日に生き延びてももう二の丑という恐怖の日がやってくるわけですね。その点では今年は恐怖の日が1回だけで良かったですね、鰻さん(1回でも十分災難かな?)。こうしたことが起こるのは土用の期間が18(たまに19)日であり、丑の日は十二支ですから12日に一度めぐってくるわけですから、当たり前といえば当たり前です。また珍しいことでないことは最近の二の丑のある年を見ればよく分かります。

  ○2020, ×2021, ○2022, ×2023, ○2024, ○2025, ×2026, ○2027

 頭に「○」をつけた年は二の丑のある年。8年のうち5回が二の丑まである年ですから、割合としては6割以上。二の丑の日の方が多いのが分かります。鰻も大変だこと・・・。

◇関東では蒲焼き、関西ではマムシ?
 鰻の蒲焼きについては、「江戸の背開き」「京阪の腹開き」、蒸しが入るか入らないか、タレをつけて焼くのか否かなど調理法が違うそうですが、そうしたことに無頓着な私には「よくわかりません」ので、よくわかる人に尋ねるか、御自分で実地にお試しください。さて、鰻と言えば蒲焼きですがこの「蒲焼き」という言葉はなぜ生まれたのでしょうか? 語源辞典をひくと

  ・カマボコヤキ(蒲鉾焼き)の略。ガマノホ(蒲の穂)に似ているから
  ・その焼いた形が白樺などの樺の皮に似ているから

 が登場します。最初の蒲の穂に似ているというのは、昔は開かずに鰻を丸のままぶつ切りにして串に刺したからとか。なるほどそれなら蒲の穂に似ているというのはよくわかります。しかし、この状態だと鰻の生前の姿があまりにリアルに思い浮かんで食べにくい気がします。

 関西のマムシの語源は、

  ・蒲焼きを御飯の間にはさんで「間で蒸す」からマムシ
  ・御飯と蒲焼きを混ぜることから、「マブス」が転じたもの

 等と言われます。私は出身が福島県で系統から言えば関東系の蒲焼き。姉が大阪に嫁いで土用の丑の日に店に沢山の「マムシ」が並んでいるというのでビックリして電話してきたことが有りました(随分昔の話になりましたが)。もちろん私の出身地域でマムシといえば毒蛇の「蝮(まむし)」を連想しますから、恐ろしい。それに言われてみれば蝮も鰻も形が似ている(蝮の方が鱗が見えるだけ、魚っぽいかな?)・・・想像すると不気味なので、この辺で止めときましょう。

◇土用の鰻の歴史
 土用の鰻というと、よく万葉集の大伴家持の和歌、

  石麻呂に吾物申す夏痩せに吉しと云うふ物ぞむなぎ取り食せ

 が取りざたされますが、実際に土用の鰻として鰻が食べられるようになるのは江戸時代も後半「安永・天明の頃《明和誌》」からだとか。安永・天明の頃というとAD1764~1781年頃と言うことになりますから、ざっと 260年程前。そんなに古い行事ではありません。そんなに古い行事でないこの「土用丑の日」の鰻が急速に広まった裏には、幕末の万能学者、平賀源内の活躍があったという説があります。なぜこの日鰻を食べるのかに関しては、五行説に基づく呪術的な意味もあるとか。なかなか面白い話がありますが、長くなりそうなのでここから先はWeb こよみのページの「暦と天文の雑学」にバトンを渡して、以下の記事をお読み下さい。

  土用丑の日(ウナギの日?) http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0700.html

 土用丑の日をお勉強した後は、美味しくウナギを食べて元気に夏を乗り切って下さい。私は鰻が苦手なので、土用餅の気分で、大福でも頂きます。

                          (「2023/07/30 号 (No.6147) 」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0) 

KAGAYA (@KAGAYA_11949) [twitter投稿]


nice!(0)  コメント(0) 

ハス(蓮)! [ヘッダー画像]

230728no5.JPG
2023.07.25撮影
nice!(0)  コメント(0) 

土用の三つ星様 [かわうそ@暦]

□土用の三つ星様
 夏の土用の頃、太陽の昇る直前の薄明の東の空に三つ並んだ星が昇ってくるのが見えます。時刻で言えば、午前 3時30分~午前 4時30分頃。この三つ星のことを、「土用の三つ星様」と呼ぶ地方が有ります。明け方の空にこの星が昇る頃、夏の土用がやってくると季節変化の目安としていたのです。

  「土用の三つ星様は、土用一郎に一つ目が、二郎に二つ目が、三郎に三つ目が現れる」

 なんて言ったそうです。ここで言う一郎、二郎、三郎は一日目、二日目、三日目という意味です。実際には、それほど極端に変化するわけではありませんが、まあここは覚えやすい語呂合わせとでも思えばよいでしょう。

◇三つ星様の正体
 この土用の三つ星様の正体ですが、この三つ星は皆さんにも大分なじみのある星で、普通は「冬の星」として知られている星です。オリオン座の三つ星といえば、ああ、あれかと皆さんも思い出してくれることでしょう。普通は冬の星座と言われるオリオン座ですが、漁業者など夜明け前から活動を始める人たちにとってはオリオン座は夏の早朝に昇る星座と言うことで、夏の星座だと考えられていることが多いのです。土用一郎に見えると言う一つ目は「ミンタカ(Mintaka)」、二つ目は「アルニラム(Alnilam)」、三つ目は「アルニタク(Alnitak)」という星で、1.7~2.3等星。日の出のやく1時間ほど前から姿を現します。オリオンの三つ星はちょうど天の赤道辺りに並んでいますので、ちょうど真東から地平線に対して垂直に三つ並んで昇ってくる姿が見えますので、なかなか印象的な登場と言えます。ちなみに昇ってくるときのオリオン座は、水平線に対して真横になった寝姿での登場。オリオンも朝はまだ眠いのでしょうか? 眠いよね・・・。眠いオリオンが目を覚ます頃になると、暑い夏の一日が始まります。そんな暑い夏の日の始めの、土用三つ星様の話でした。

                          (「2023/07/28 号 (No.6145) 」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0) 

「土用」と「ドッグデーズ(Dog days)」 [かわうそ@暦]

■「土用」と「ドッグデーズ(Dog days)」
 『土用』に相当する言葉が英語にあるかと和英辞典で「土用」を引くと

  【土用】 (the) dog days. 《研究社和英中辞典》

 とでてきます。おお、「土用」に相当する言葉があるのか・・・。では何で土用が dog days なのか?こんな時には英英辞典が必要なのでしょうが、残念ながら私の本棚にはない。仕方がないので、ちょっと大きめの英和辞典で dog days を引いてみました。

  【dog days】
   暑中、盛夏。Dog Starが太陽と共に出没する 7月 3日ごろから 8月11日ごろまでの期間。
   沈滞(停滞)期。
  【Dog Star】
   天狼星。Sirius(シリウス)
    《研究社新英和大辞典》

 この説明からすると太陽がシリウス(おおいぬ座α星)と共に空に昇る期間を盛夏の時期として慣用的にそう呼ぶようです。土用は土用でも夏土用だけを指す英語ですが、まあ日本でも今は土用といえば夏土用だけを指すようになっていますから、dog daysは土用の英語表現といってもよさそうです。

◇どうして、シリウスと太陽が一緒だと暑いのか?
 さて、Dog Starが太陽と共に出没する期間 = 暑中、盛夏なのかですが、これはこのDog Star(シリウス)がどんな星かを考えると何となく分かる気がします。シリウスはおおいぬ座α星で、冬の星。おおいぬ座はオリオン座のちょっと後ろからオリオンにくっついてくる星座です。オリオン座の近辺は明るい星が多くて賑やかなのですが、その中でも一際明るく他を圧するような光を放つ星が Dog Star 、シリウス。全天の恒星の中でもっとも明るい星(おっと、太陽は除外)です。このシリウスの名はギリシャ語で焼き焦がすもの・光り輝くものを表す言葉(Seirios)から生まれたものです。つまりこの「焼き焦がすもの」という名を持つ星が太陽と同時に空に昇って大地を焦がすのがこの dog days の期間ということなのですね。

◇7/3頃から8/11頃まで?
 さて、こう考えてくると、太陽とシリウスが同じ方向にある時期という 7/3~8/11ですが、こんな風に幅があるということは、太陽とシリウスがぴったり一致するのはこの期間のちょうど真ん中かと思い、確認のために計算してみました。違っていました。太陽とシリウスの位置が一致する(赤道座標の赤経の一致する位置と考えました)日を計算してみると、今年なら 7/2頃。ちょうど辞書の説明にあったdog daysの期間の始まりの頃です。なるほど、このdog daysは、日の出の直前にシリウスが地平線から昇る様子が見える時期だと言うことのようです。計算などではなくて、実際に日の出直前の空を眺めた昔の人たちの実体験から生まれた言葉なんですね。

◇これはひょっとして?
 土用から始まって、dog daysの期間の話に進みましたが、ここまで進んでふと思ったことがあります。dog daysの期間の始まりの日が日の出直前にシリウスが昇る日らしいと書きましたが、これはエジプトで暦の起点とされた「シリウスの日出直前出現(ヘリアカル・ライジング,Heliacal rising)」そのものではないですか。これが単なる偶然なのか、何か関連のあることなのか。なんか気になりますね・・・。

                          (「2023/07/26 号 (No.6143)」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0)