SSブログ

「土用」と「ドッグデーズ(Dog days)」 [かわうそ@暦]

■「土用」と「ドッグデーズ(Dog days)」
 『土用』に相当する言葉が英語にあるかと和英辞典で「土用」を引くと

  【土用】 (the) dog days. 《研究社和英中辞典》

 とでてきます。おお、「土用」に相当する言葉があるのか・・・。では何で土用が dog days なのか?こんな時には英英辞典が必要なのでしょうが、残念ながら私の本棚にはない。仕方がないので、ちょっと大きめの英和辞典で dog days を引いてみました。

  【dog days】
   暑中、盛夏。Dog Starが太陽と共に出没する 7月 3日ごろから 8月11日ごろまでの期間。
   沈滞(停滞)期。
  【Dog Star】
   天狼星。Sirius(シリウス)
    《研究社新英和大辞典》

 この説明からすると太陽がシリウス(おおいぬ座α星)と共に空に昇る期間を盛夏の時期として慣用的にそう呼ぶようです。土用は土用でも夏土用だけを指す英語ですが、まあ日本でも今は土用といえば夏土用だけを指すようになっていますから、dog daysは土用の英語表現といってもよさそうです。

◇どうして、シリウスと太陽が一緒だと暑いのか?
 さて、Dog Starが太陽と共に出没する期間 = 暑中、盛夏なのかですが、これはこのDog Star(シリウス)がどんな星かを考えると何となく分かる気がします。シリウスはおおいぬ座α星で、冬の星。おおいぬ座はオリオン座のちょっと後ろからオリオンにくっついてくる星座です。オリオン座の近辺は明るい星が多くて賑やかなのですが、その中でも一際明るく他を圧するような光を放つ星が Dog Star 、シリウス。全天の恒星の中でもっとも明るい星(おっと、太陽は除外)です。このシリウスの名はギリシャ語で焼き焦がすもの・光り輝くものを表す言葉(Seirios)から生まれたものです。つまりこの「焼き焦がすもの」という名を持つ星が太陽と同時に空に昇って大地を焦がすのがこの dog days の期間ということなのですね。

◇7/3頃から8/11頃まで?
 さて、こう考えてくると、太陽とシリウスが同じ方向にある時期という 7/3~8/11ですが、こんな風に幅があるということは、太陽とシリウスがぴったり一致するのはこの期間のちょうど真ん中かと思い、確認のために計算してみました。違っていました。太陽とシリウスの位置が一致する(赤道座標の赤経の一致する位置と考えました)日を計算してみると、今年なら 7/2頃。ちょうど辞書の説明にあったdog daysの期間の始まりの頃です。なるほど、このdog daysは、日の出の直前にシリウスが地平線から昇る様子が見える時期だと言うことのようです。計算などではなくて、実際に日の出直前の空を眺めた昔の人たちの実体験から生まれた言葉なんですね。

◇これはひょっとして?
 土用から始まって、dog daysの期間の話に進みましたが、ここまで進んでふと思ったことがあります。dog daysの期間の始まりの日が日の出直前にシリウスが昇る日らしいと書きましたが、これはエジプトで暦の起点とされた「シリウスの日出直前出現(ヘリアカル・ライジング,Heliacal rising)」そのものではないですか。これが単なる偶然なのか、何か関連のあることなのか。なんか気になりますね・・・。

                          (「2023/07/26 号 (No.6143)」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0) 

今日(7/26)の夜空に見える月は【上弦の半月】です [かわうそ@暦]

◆今日(7/26)の夜空に見える月は【上弦の半月】。
上弦の月は日が暮れる頃は、真南の空の高いところにあり、日付が切り替わる頃に、西の地平線に沈んでゆきます。旧暦日による呼び名では【九日月】です。

◆お月様の基礎データ
・上弦の半月の瞬間は 7/26 7時 7分 (月齢は 8.1)
 ※上弦の半月とは、月と太陽の黄経の角度差が90度となる瞬間です。
・月出:7/26 12時21分 月没:7/26 23時 9分 (東京での時刻)
・南中(真南に見える瞬間):7/26 17時49分 (東京での時刻)
・南中時の月と地球の中心距離は 388600 km (平均距離の 1.01倍)。

 月は平均距離付近にあり、見かけの大きさも平均的です。お月様、見えるでしょうか?見えるといいですね。(「お月様のお知らせメール」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0)