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七夕の雨の話 [かわうそ@暦]

□七夕の雨の話
 明日は七夕。七夕といえば現在は星祭りとしての性格が強い節供ですので、織り姫星(織女星)と彦星(牽牛星)が登場してくれないと盛り上がりません。ですが、新暦の七夕と言えば梅雨の最中。雨と七夕とは切っても切れない関係になってしまっています。ということで、本日は七夕にまつわる名前のついた雨の話を採り上げてみました。

◇洗車雨(せんしゃう)
 七月六日に降る雨です。七月七日に降る雨だとされることもあります。一年に一度、織女と会うために牽牛がせっせとその牛車を洗う水が雨となって降り注ぐのがこの雨です。逢瀬のためにせっせと車を洗うなんて、今も昔も男のやることなんて変わらないと言うことです。違うことといえば、牽牛が織女と逢瀬を許されているのが一年に一度の七夕の夜だけということ。一年に一度ですから牛車を洗う牽牛さんも、ついつい力が入っちゃうってことでしょうか。

◇洒涙雨(さいるいう)
 さてさて、逢瀬の日の前日、牛車の準備の過程で降る洗車雨なら、七夕の日の逢瀬には問題ありません。それどころか、大気中の塵を洗い流して、肝心な七月七日の夜にすばらしい星空を用意してくれるかもしれません。が、しかし、その肝心な日に雨が降ってしまうと・・・。その肝心の七月七日の夜に降る雨を「洒涙雨(さいるいう)」とか「七夕雨(たなばたあめ)」といいます。牽牛と織女が一年一度の逢瀬の後で、再び別れ別れとなる際に流す惜別の涙が雨となって地上に達するのが、洒涙雨だといわれます。一説には、七夕の夜に雲のため逢瀬が叶わない二人が流す悲しみの涙とも云われます。前者のように逢瀬の後の別れを惜しんで流す涙の雨ならまだしもですが、逢瀬が叶わないために流す涙だとすると可哀想です。でも明日の天気予報をみると七夕の夜の天気(私の住んでいる辺りの)は雨のようです。天気予報が正しければ「逢瀬が叶わない悲しみの涙」となっちゃいますね。牽牛と織姫の願い適って、明日の夜が晴れてくれることを祈りたいところですが、最近の天気予報は当たるからな・・・。

                          (「2023/07/06 号 (No.6123) 」の抜粋文)
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