SSブログ

サンジョルディの日 [かわうそ@暦]

□サンジョルディの日
 本日の話も「今日の記念日」から。4/23は「サンジョルディの日」です。これは、もとはスペインで行われていた行事で、バレンタインデーなどに似た内容の行事です。贈り物内容は

  男性から女性へ ・・・ 赤いバラ
  女性から男性へ ・・・ 本

 赤いバラという贈り物は、男性から女性への贈り物としては定番といっても過言ではないもの。それだけにありふれた感じもしますが、女性から男性への贈り物が「本」というところは、こうした行事の中ではやや異彩をはなったものという気がします。

◇サンジョルディって何?
 さてこのサンジョルディの日はキリスト教の聖人、聖ゲオルギウスの祝日です。聖ゲオルギウスはイングランド、グルジア、モスクワ、カタロニア地方(スペイン)などの守護聖人となっています。聖ゲオルギウスの祝日なのに何故サンジョルディの日なのかですが、これはカタロニア地方での聖ゲオルギウスの呼び名が Sant Jordi (サン・ジョルディ)だからだそうです。さて、この聖ゲオルギウスですが、何か本と関係有るかというとこれが全然見あたりません。伝説では白馬にまたがった騎士で、人々に害悪をもたらしたドラゴンを退治した事で知られた勇猛な聖人なのです。うう、本の話は?

◇ドンキホーテの生みの親の命日
 カタロニアでは「サン・ジョルディ」はその地方の守護聖人の祝日ですからお祭りであるのはわかりますが、直接この守護聖人と本とは関係が無さそうです。ではなぜ本の日となったかというと、スペインの生んだ大作家、ミゲル・デ・セルバンテスの命日だからです。セルバンテスといってもピンとこない方には、ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ(ラマンチャの騎士ドン・キホーテ)の作者だといえば判ってもらえるのでは。このセルバンテスの生没年月日は、1547/09/29~1616/04/23。スペインの生んだ偉大な作家の命日がたまたまサン・ジョルディの祝日であったことから、この日がスペインでは本の日となり、昔々(私がまだ学生だった頃)の日本の本屋さんはバレンタインデーのチョコレートの如くあれとこの日を宣伝しました。残念ながら、本屋さんの野望は実らず、未だに日本では普及していないようです(本屋さんも忘れたかな?)。その意味では、発想はバレンタインデーのチョコレートの如く甘く、結果はほろ苦い本屋さんの野望だったようです。

◇もう一つおまけで、この日命日の作家について
 実は1616/04/23という日が命日となっている作家は、セルバンテスだけではありません。スペインと海を隔てたイギリスでも、この日付の日に大作家が亡くなっています。その大作家の名前は、「シェイクスピア」。押しも押されもせぬ、歴史に残る大作家です。4/23は、やはり本に関係の深い日付のようですね。同じ年の同じ日付に二人の大作家が亡くなっているんですから。ただし、同じ1616/04/23という日付けに亡くなったという二人ですが、亡くなった日付けは同じでも、亡くなった日は10日違っています。シェークスピアが亡くなったのは、セルバンテスが亡くなった10日後のことです。でも、命日はともに1616/04/23。この違いは、1616年という年(というか、その時代)とセルバンテスとシェークスピアの生まれた国(とその国の宗教)の違いでした。さて、お分かりになりましたか?これもきっと「暦の話」なんだろうな・・・。たまにはみなまで書かず、謎は謎のままにしておくのもよいかな?読者の皆さんの頭の体操に。お暇なときに考えてみてください(と本日は謎を残して終わりです)。(『2018/04/23 号 (No.4223) 』の抜粋文)

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。