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【片腹痛い】 (かたはら いたい) [かわうそ@暦]

【片腹痛い】 (かたはら いたい)
 [形]かたはらいた・し(ク)(「傍」のカタハラを片腹の意に誤ったことから起こった語)身のほど知らずな相手の態度を笑いとばす意。笑止である。ちゃんちゃらおかしい。日葡辞書「カタハライタイ」。浄瑠璃、出世景清「腕無しのふりづんばい、かたはらいたし、事をかし」→かたわらいたい《広辞苑・第六版》

 今からだと7~8年程も前のことになるでしょうか。辞書を引いていて「片腹痛い」の文字がとびこんできました。目が留ったついでに、この言葉の意味を確認してみようと思い、読んでみてはじめて「傍ら痛い」という言葉があること、「片腹痛い」がこの「傍ら痛い」の「傍ら」を「片腹」に取り違えたところから生まれた言葉であると知りました。今までの人生の大部分の期間を私は、この「片腹痛い」の方だけしか知らなかったのでした。そんな迂闊な者が「コトノハ」などとは、片腹痛いそう笑われても仕方がない。身の程知らずの相手を笑いとばし、それこそ脇腹が痛くなるほど笑うことなのかななんて、そんな風にしか考えていませんでした。脇腹が痛くなるほどというのは笑いすぎかも知れませんが、「片腹痛い」という言葉であれば、この解釈でも間違いとはいえません。とはいえ、やはりはずかしいことには違いがありませんけれど。元となった「傍ら痛い」は、気の毒であるとか、(相手の気持を慮って)傍らにいて辛くなるという意味の言葉。「片腹痛い」とはまるでちがった意味の言葉です。わかっているつもりの言葉でも、たまには辞書でその意味を確かめてみるべきだなと、教えてくれた「片腹痛い」話でした。しかし、「片腹痛い」ではなくて、その元になった「傍ら痛い」という言葉を使ったとしたら、今じゃほとんどその意味が伝わらないと思うのですが、どうでしょう?間違いから生まれた片腹痛いの陰に隠れるようにして、忘れられてしまった(と思う)傍ら痛いという言葉は気の毒ですね。「傍ら痛い」は、こんなときに使えばいいのかな? 違うかな?(「2018/09/14 号 (No.4367) 」の抜粋文)
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