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お歳暮 [かわうそ@暦]

□お歳暮
 盆暮れの挨拶にと、お世話になった方々に贈り物をする慣習があります。盆の方は「お中元」、そして暮れの方は「お歳暮」がそれにあたるものです。

◇お歳暮とは?
 歳暮(せいぼ)とは、歳暮の礼 を略したものです。この頃に贈り物をするのは、年末から年始にかけて先祖を祭り、歳神を迎えるという祭事への供え物を贈るものでした。元々がこうした歳神へのお供え物に始まった行事ですので、その贈り物の内容としては今でも塩鮭、鯣(するめ)、数の子、干し魚といった歳神への供え物に適した食品が多く選ばれました。現在では、その本来の目的である「歳神への贈り物」という意味が忘れられてきましたので、贈り物の内容も変化していますが、それでも贈り物の多くが食品であることなどは、忘れられた本来の意味の微かな名残のような気がします。

◇お歳暮の時期
 本来の目的が正月の歳神祭りのお供え物を贈ることでしたので、贈り物の時期は正月の準備が始まる頃と言うことで、12/13 の「正月事始め」の日から12/20 頃までが一般的でした。これより遅くなるような場合は、「御年賀」と表書きを変えたそうですが、現在でもそんな風に変えているのかどうかは定かではありません。お歳暮と言えば現在は、デパートから宅配されることが多いものですが、出来ればきちんと風呂敷につつんで、持参して感謝の意を伝えたいもの。下手な鉄砲ではないですから、数撃ちゃ当たる的な贈り物ではなく、本当に感謝したい少数の相手に贈りたいものです。(なんて云いながら、ずぼらな私は・・・)

◇鰤正月(ぶりしょうがつ)とお歳暮
 お歳暮の贈り物として、鰤(ブリ)が喜ばれる地域があります。鰤は出世魚、成長とともに名を変える魚。地方によって呼び名は異なりますが東京と大阪を例にすると次のように名前が変わって行きます。

  東京:ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
  大阪:ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ

 出世魚は目出度い魚。また寒鰤(かんぶり)という言葉があるほどで、冬においしい魚と言うことで、この時期の贈り物として喜ばれたものだと思われます。地方によっては、嫁の実家に歳暮として鰤と反物一反を贈ると云った風習があったそうです。贈られた嫁の実家ではそれを正月に飾って、こうした歳暮を贈ってくれる良い婿に嫁いだと、良縁を周囲の人にお披露目する風習があったそうです。幸い、私の住んでいるこの辺りでは、鰤正月の風習はないから・・・。何はともあれ、形式だけにながされず、お世話になった方々に心を込めた贈り物をすることに致しましょう。(「2018/12/15 号 (No.4459)」の抜粋文)

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