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亥年は「ブタの年」? [かわうそ@暦]

□亥年は「ブタの年」?
 今年は「亥年」。日本では「イノシシ(猪)」の年。干支の飾り物や図柄は牙の生えた猪(あるいはその子供の「瓜坊」)というのが定番です。しかし、中国や韓国では亥年とは「ブタの年」なのです。実は、「亥年」を「イノシシの年」と考える日本が特殊なのでした。

◇「猪年」と「豚年」の関係
 干支は中国生まれ。本家で「豚(ブタ)年」だったものがどうして日本では「猪(イノシシ)年」になってしまったのでしょうか?謎の答えは漢字の表す意味の違いでした。実は中国においても「亥年は猪年」なのです。問題はこの「猪」という文字。この文字の本来の意味は日本で言うところの「ブタ」を意味する言葉。では日本でいうところのイノシシはなにかというと、中国では「野猪」、要するに「野生の豚」と言うことなんですね。

※余談
 では、「豚」と言う文字は? と調べたら本来は生まれたばかりの子豚を意味する文字だったとのこと。

◇なぜ、ブタがイノシシに?
 本来、「ブタ」を意味した「猪」という文字が日本では「イノシシ」を表すようになってしまったのでしょう。これは、私の推測にすぎませんが、おそらく日本に干支が持ち込まれた時には亥年は中国では家畜のブタを意味する「猪」の年として伝わったのでしょうが、日本には家畜としてのブタがおらず、野生のブタである「イノシシ」を「猪」と解釈したのではないでしょうか。こうして、ちょっとした事情で亥年は、中国ではブタ年。日本ではイノシシ年になってしまい、そうして千年以上の歳月が経過。元は家畜のブタだったとはつゆ知らず、今年の日本の年賀ハガキの図柄は精悍(?)な野生のイノシシの姿一色に相成ったとわけなのではないでしょうか。

※余談2
 日本でも弥生時代にはイノシシを家畜として飼っていたそうです。ただ、仏教伝来後は、獣肉食が嫌われましたので、奈良時代以後はイノシシの家畜化の伝統は途絶えました。また、中世ヨーロッパで家畜として飼われていたブタには牙があったなんていう話を読んだことがあるので、もしかしたら昔の中国の家畜のブタも、今よりずっと、イノシシに近いものだったのかもしれません。

◇ブタ年の評価
 「ブタ」というとなんとなくパッとしないイメージ(注意:あくまでも、かわうその個人的イメージです)で、「ブタ年」なんていったらこれもちょっとな~という感じがしますが、中国や韓国では「ブタ年」は喜ばれるのだと聞きました。なぜか? それは、ブタはあくせくしないのに福々しく、尚かつ子沢山。お金があって子供が沢山(子孫繁栄)とくれば、これは目出度いイメージですね。一方では「ブタ年」生まれは怠け者という見方もあるそうですが、これは「ブタはあくせくしない」と表裏一体の解釈。見方で評価が 180°違うってことですね。韓国でも「ブタ年」は中国同様に「ブタ年」は目出度い年と考えられています。韓国の場合は更に豚とお金を意味する語のハングルの綴りが同じであることで、金運がよいという意味が加わって、益々有り難がられると聞きます。なるほどね。と言うことで今年は亥年、豚年。出来れば「あくせくせず金運アップ」の年となるといいですね。ただし、願うだけで何にもしないと年末に「ああ怠け者の年で終わった」ということになる可能性も。そんなことにならないように、お互い気を付けましょうね。(「2019/01/01 号 (No.4476) 」の抜粋文)
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