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【直情径行】(ちょくじょうけいこう) [かわうそ@暦]

【直情径行】(ちょくじょうけいこう)
 『礼記檀弓下』相手のおもわくや周囲の事情など気にしないで、自分の思った通り行動すること。「直情径行な青年」《広辞苑・第六版》

 言葉の使い方、使われ方は徐々に変化して、元の意味とちょっと違った使い方、あるいは全然反対の使い方がなされる場合があります。この直情径行もそうした言葉の一つ。出典は広辞苑にあるとおり、礼記(らいき)です。ここに孔門十哲の一人、子游(しゆう)の言葉として「直情径行なる者有り、戎狄(じゅうてき)の道なり」として残されています。戎狄とは当時の中国が中国の外側の野蛮な民族を卑しんで呼んだ言葉。ちなみに中国から見て西には西戎、北には北狄、東には東夷、南には南蛮という野蛮な民族がいる(日本は「東夷」に分類されています)と解説されています。意味は、喜怒哀楽の感情のまま行動するのは野蛮であるということ。良い意味ではありません。それが近頃は、裏表のない性格とか、はっきりした性格であるとか、肯定的な言葉のように使われることが増えているようです。感情のままに行動することはいけないと思いながらも、つい感情が表に出てしまうと言うことであれば、こうした性格は愛すべき性格と言えるかもしれないのですが、近頃の使い方を見ていると「いけないと思いながらも」が抜け落ちてしまって、感情のままに行動することがよいことのような解釈が増えている気がします。如何でしょう?ちょっと心配な今日この頃です。(「2020/08/26 号 (No.5079) 」の抜粋文)

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