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【ラムネ】 [かわうそ@暦]

【ラムネ】
 (レモネードの転訛)
 1.炭酸飲料。炭酸水に、甘味料・酸味料・香料などを加え、口にガラス玉をはめた瓶に詰める。
  夏の季語。小杉天外、はやり唄「椽頭(えんさき)には─が水に漬つてる」
 2.(ラムネを飲むと、げっぷが出るところから)月賦(げっぷ)の隠語。
   《広辞苑・第六版》

 「ラムネ、子供の頃よく食べました。好きですよ、今でも」これは、30代半ばの知人に「ラムネって知ってる」と尋ねたときの答えでした。そうですよね、今、ラムネと言えば「食べるもの」つまり錠剤状の菓子を思い浮かべる人が主流ですね。質問した私が期待したのは「飲む」ラムネだったんですが、質問者と回答者の年齢の差が「飲む」と「食べる」の差に成ってしまいました。今日、5/4は「ラムネの日」です。この日は、1872年にラムネの製造販売の許可が下りた記念日。1872年と言えば明治5年。ラムネはそんな昔からあったんですね。もちろんここで言うラムネは飲む方のラムネです。大分前から、飲み物のラムネはあまり見かけることがなくなり、替わって飲み物のラムネを思い起こさせる清涼感のある錠菓子の「ラムネ」が生まれました。菓子としてのラムネの誕生は1881年説など諸説あってはっきりしない(ウィキペディア http://urx.red/VZ51 )いのですが、こちらもかなり古くからあったことは確かなようです。飲む方のラムネは、専用の特殊な瓶にラムネ玉と呼ばれたガラスの球で内側から栓をしたもの。どうやって内側から栓が出来るのかなと、その昔少年、あるいは少女だった者たちに一度は疑問を抱かせたあの瓶に詰められていた飲み物です。飲む方のラムネはこの特殊な瓶が特徴でもありましたが、その瓶の特殊さはまた商品として販売する側のネックにもなりました。大量に作るのはやっぱり難しくてコストがかかるのです。そんな問題もあって他に多くの炭酸飲料水が登場するようになると、ラムネは次第に市場から姿を消していきました(完全になくなったわけではありませんが)。飲む方のラムネがこうして衰退していく一方で、食べる方のラムネは着実に売り上げを伸ばし、今では菓子の一分野にラムネ菓子というカテゴリーが出来るまでに。こんな訳で、ラムネが飲むものから食べるものへと替わってきました。私の主観ですが、この切り替わった時期は昭和の終わり頃~平成のはじめごろのように思えます。区切りの時期は少々あやふやですが、それでも「ラムネ」と聞いて飲み物を思い出すか錠剤タイプの菓子を思い出すかである程度、世代を判別することが出来そうです。もちろん私は、「飲む方」の世代ですけど、皆さんは?ちなみに、語釈2の「月賦の隠語」の方の使い方は、飲む方のラムネを思い出す世代の私でもしたことがありません。さらにもう一世代、前の方々ならご存じかな。きっとこの語釈を書いた方は私より一世代は上の方なんでしょうね。ああ、こんな話を書いていたらラムネ「飲み」たくなってきました。

                          (「2024/05/04 号 (No.6426) 」の抜粋文)
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