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【亀鳴く】(かめ なく) [かわうそ@暦]

【亀鳴く】(かめ なく)
 (藤原為家「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなる」からか) 春の夕べ、どこかで亀が鳴いている。春の季語。 《広辞苑・第六版》

 川越のをちの・・・という藤原為家の歌は、十三世紀半ばに成った新撰六帖という歌集に有る歌だそうです。川向こうのあの田んぼの中で何かの鳴き声が聞こえる。あれは何かと尋ねたら亀が鳴いているのだという答え。そんな意味の歌のようです。この歌が元で、晩春の季語として定着したのがこの「亀鳴く」です。我が家にも二匹の亀がおりまして(昨年の今頃は三匹でした(涙))、一匹は19歳、もう一匹は年齢不詳(推定30歳以上?)。二匹とも日がな一日、ベランダのタライの中水に潜ったり、水面から鼻を出したり、甲羅干しをしたりと優雅な生活(タライから出られないから「囚人の自由」かな?)を送っています。こんな彼らは、春の夕暮れになっても鳴きません。都会のベランダ暮らしだから遠慮しているのかな? いえ、違うのです。亀には発声器官は無いのです。つまり「鳴きたくても鳴けない」のでした。なんだ、「亀鳴かない」なのか。遠く離れた田んぼの中から聞こえてくるほど大きな声は出ないみたいです。まあ、近くにいれば、スピーッとかキューッといった鳴き声というか、鼻息というかの、小さな音なら聞こえますから、これで我慢するかな?しかし、亀が鳴かないとなると為家さんが聞いた「田中の声」の主はだれ?その正体は謎のままでございます。(「2020/04/17 号 (No.4948) 」の抜粋文)

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