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盆の月 [かわうそ@暦]

□盆の月
 本日(2021/08/22)は、旧暦の七月十五日。「旧盆」と呼ばれる日です。旧暦の日付が十五日ですからその夜に昇る月は十五夜の月、満月です。本日は、今夜昇る満月、盆の月の話です。まずは、盆の月という言葉を辞書で引いて、話を始めることにします。

 【盆の月】(ぼんの つき)
  盂蘭盆(うらぼん)にあたる陰暦7月15日の月。秋の季語。
  「虚無僧の深あみ笠や盆の月」(子規) 《広辞苑・第六版》

 盆の夜といえば、今でも「盆踊り」が行われることが多いと思います。今年は武漢肺炎の流向関係で、中止となっているところが多い(大部分?全部かも)と思いますが、こうした特別な事情のある年でなければという話としてお読みください。さて、普通の年なら各地で行われるだろう「盆踊り」は、空也上人や一遍上人などから始まる念仏踊りに各地の様々な踊りが混淆して生まれたもので、盆に戻ってきた祖先の精霊を慰め、再びあの世へと送り出すための行事であると言われます。元は宗教的な意味合いのあった行事でしたが、娯楽の少ない時代には地域の人々が集って行う楽しい行事として、次第にその裾野を広げて行ったようです。盆踊りといえば夜の踊りですが、明かりの豊富な現在であればいざ知らず、せいぜい提灯や篝火くらいしか無かった時代には、明かりの確保は大変でした。そんなとき、この夜に昇る十五夜の月は大切な照明装置となりました。夏場の満月は空のあまり高くない場所で輝いています。その月から届く光は、頭上から煌々と照らす冷たい光ではなく、ほんのりと色づいた優ししい光。ほんのりと色づいた優しい光を送る盆の月の明かりの下で、盆踊りは踊られてきたものでした。盆の月は、人間たちの娯楽としての盆踊りを照らした明かりとなった後は、あの世への帰り道を照らす明かりとなって、盆踊りによって送り出された精霊たちを見送る月となります。そんなわけで、本日は優しい光に満ちた盆の月が夜空に昇るはずですが、ここのところ日本の多くの地域で長雨が続いているようですので、はたして晴れてお月様が見えるか否か。もし今夜「盆の月」が見えたなら、長く続いてきた盆踊りの歴史でも思い浮かべながら、初秋のお月見をお楽しみください。(「2021/08/22 号 (No.5440) 」の抜粋文)

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