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除夜の鐘 [かわうそ@暦]

■除夜の鐘
 2023年もついに最後の1日となりました(なってしまった!)。本日は大晦日、今夜は除夜ということで一年最後の暦のこぼれ話は除夜の話といたしました。除夜と言えば最初に思い浮かぶのは108つの除夜の鐘。この 108は人間の煩悩の数だといいます。どうして煩悩の数は 108なのかというと人間の六根(ろっこん)と呼ばれる感覚器、眼・耳・鼻・舌・身・意の六つにそれぞれ、好・平・悪の三つの状態があり、さらにこれが程度によって、染・浄の二つに細分され、これらが過去・現在・未来にそれぞれ有るということで 108なのだという説が有ります。

  1.六根 ・・・ 6
  2.1 の好・平・悪三種 ・・・ 6 × 3 = 18
  3.2 の染・浄二種 ・・・ 6 × 3 × 2 = 36
  4.3 の過去・現在・未来 ・・・ 6 × 3 × 2 × 3 = 108

 と言うわけです。この 108には別の説もあり、その一つには暦になじみ深い 3つのものの数のだと言うものですので紹介します。暦となじみ深い 3つのものとは、

  暦月の数 ・・・ 12
  二十四節気の数 ・・・ 24
  七十二候の数 ・・・ 72

  12 + 24 + 72 = 108

 という説です。毎月、毎節気、毎七十二候毎に煩悩が蓄積して行くのですか。これは大変だな・・・。この一年の間に積もりに積もった煩悩を祓ってくれるのが除夜の鐘。除夜の鐘の撞き方は旧年中に 107回、新年になってから 1回という具合に撞くそうです。これは、旧年中に撞く鐘で旧年中の煩悩が去ったことを表し、新年の 1回は新しい年が煩悩に煩わされることがないように願うものだとか。現在は、深夜零時を日の変わり、年の変わりと考えるのが一般的ですから、除夜の鐘もこの「零時」を跨ぐように、頃合いを測って撞くのだそうです。上手く零時の段階で最後の一回だけを残すようにするというのは、それなりに熟練した技術がいりそうですね。そういえば年越しの行事として定着しているこの除夜の鐘がうるさいと苦情をお寺にしてくる人がいるなんてニュースを数年前から聞くようになりました。今のところは「おかしな人もいたものだ」といった感じのニュースですが、出来ることならいつまでもこんな苦情を申し立てる人が「おかしな人」と認識できる世の中であって欲しいなと思うカワウソです。

 【参考記事】除夜と大晦日 http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0757.html

                          (「2023/12/31 号 (No.6301) 」の抜粋文)
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