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エイプリルフール [かわうそ@暦]

□エイプリルフール
 本日は4月1日。 エイプリルフール。または万愚節と呼ばれる日です。「四月馬鹿」という言葉も有りましたが、今も使われるでしょうか?さて、この日は罪のない嘘をついて良い日とされ、欧米では新聞やTVニュースなどまでが手の込んだ嘘(おちの部分で笑えるようにしておかないといけませんが)を掲載・放送するようです。良くできた嘘については、種明かしの後、その「嘘のニュース」が流れたことが、またニュース(こっちは本当の)になるほどです。日本でこれをやったら、さて受け入れられるかどうか。笑って済ませてくれる人ばかりじゃないでしょうね。

◇エイプリルフールの始まり
 エイプリルフールの始まりは、1564年にフランスのシャルル 9世が 1/1を新年とする暦を採用したのがきっかけだといわれます。それまでヨーロッパの多くの国は伝統的に3/25を新年の始まりとしてこれから 1週間新年の馬鹿騒ぎをしたといいます。 4/1はこの馬鹿騒ぎが終った翌日で実質的年初ともいえます。それまで慣れ親しんだ年初の概念を覆すシャルル 9世の突然の年初変更は、民衆の間には強い反発を生み出しました。反発した人々は従来の実質的な年初となる 4/1を「嘘の新年」として馬鹿騒ぎをするようになり、これがエイプリルフールの始まりだといわれます。

◇3/25が年の初めという不思議
 エイプリルフールの始まりを書いたところで、皆さんが疑問に思いそうなことを一つ。それは、それ以前の新年が3/25日に始まるということ。何でこんな時期という気もしますが、これは昔からヨーロッパにおいては一年の始まりは春、春分の日付近に始まるという春分年初の考えがあったからです。この春分年初の考えはおそらく農耕の開始時期と一致して自然に生まれたサイクルだろうと考えています。発生時期は記録が残っていないほど古く、BC45年にユリウス暦が施行時に年初を古くからの3/25から 1/1に移動させたと有ることからも分かります。最低でも2000年以前には既に新年は3/25だと考えられていたようです。そしてこの慣習は古いだけでなく、大変根強いものでした。それはユリウス暦が暦の年初を 1/1と決定後1500年経っても、実生活ではまだ3/25が年初だと考えられていたということで分かります。それにしても25日とは大分半端な日付。これに関しては、おそらく原始的なヨーロッパの暦(ローマの暦)が太陰暦であっただろうということと、ローマでの特殊な日付の数え方とが関係していると考えています。私たちからすれば、おかしな日付での区切りでも、そういうものだと、ずっと使い続けていたら不思議には思わないかもしれません。(人間の大らかさに万歳!?)

◇「四月馬鹿」もう一つの由来説
  4/1が四月馬鹿と呼ばれる原因のもう一つの説はインドから。インドでは悟りの修行は春分の日から3月末まで行われていましたが、すぐに迷いが生じることから、 4/1を「揶揄節」と呼んでからかったことによるとする説もあります。エイプリルフールの今日、何か「上手い嘘」を考えてみましょうか。ただしくれぐれも、後々問題とならないように、「罪のない嘘」を。

                          (「2024/04/01 号 (No.6393) 」の抜粋文)
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