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除夜と大晦日 [かわうそ@暦]

□除夜と大晦日
◇大晦日(おおみそか)
 明日は大晦日。大晦日は「おおみそか」と読むほか、「おおつごもり」とも読みます。この言葉は、太陰暦では月の最後の日は三十日(か二十九日)であったことから、三十日(みそか)であり、また月が見えない日であることから

   月籠り(つきごもり) ⇒ つごもり

 となります。こうして太陰暦の一種であった太陰太陽暦を長い間使い続けていた日本では、何時しか「みそか」「つごもり」は月末を表す言葉となりました。大晦日の「大」は一年最後の晦日と言うことでつけられた文字です。この大晦日は新しい年神様を迎え入れる大切な日です。

◇除夜(じょや)
 除夜に何を除くのかといえば、これは「旧い年」。旧い年を除くという意味で、除夜とよばれます。旧い年を除くこの夜は、産土神を祀る神社に詣でて、ここで新しい年神様を迎えるために籠もり、一晩中起きているということが本来でしたが、それが徐々に簡略化されて現在に至ります。除夜の夜に神社に詣でるとか、元日の未明に神社に参拝するといった行為は夜通し神社に籠もった行事の名残と言えます。まあ、丸一晩起きているというのはなかなか普通の人には難しいことですが、それでもあまり早く寝てしまうと白髪になるとか、しわが出来るなどの言い伝えがありました。美容と健康のために早寝をする方でも、大晦日の夜はちょっと夜更かししたほうがよいのかもしれませんね。

◇除夜の鐘
 除夜と言えば 108つの除夜の鐘。この 108は人間の煩悩の数だといいます。どうして煩悩の数は 108なのかというと人間の六根(ろっこん)と呼ばれる感覚器、眼・耳・鼻・舌・身・意の六つにそれぞれ、好・平・悪の三つの状態があり、さらにこれが程度によって、染・浄の二つに細分され、これらが過去・現在・未来にそれぞれ有るということで 108なのだという説が有ります。

  1.六根 ・・・ 6
  2.1 の好・平・悪三種 ・・・ 6 × 3 = 18
  3.2 の染・浄二種 ・・・ 6 × 3 × 2 = 36
  4.3 の過去・現在・未来 ・・・ 6 × 3 × 2 × 3 = 108

 と言うわけです。この 108には別の説もあり、その一つには暦になじみ深い 3つのものの数のだと言うものですので紹介します。暦となじみ深い 3つのものとは、

  暦月の数 ・・・ 12
  二十四節気の数 ・・・ 24
  七十二候の数 ・・・ 72

  12 + 24 + 72 = 108

 という説です。毎月、毎節気、毎七十二候毎に煩悩が蓄積して行くのですか。これは大変だな・・・。まあ、一年の間に積もりに積もった煩悩を祓ってくれるのが除夜の鐘。除夜の鐘の撞き方は、旧年中に 107回、新年になってから 1回という具合に撞くそうです。これは、旧年中に撞く鐘で旧年中の煩悩が去ったことを表し、新年の 1回は新しい年が煩悩に煩わされることが無いように願うものだとか。現在は、深夜零時を日の替わり、年の替わりと考えるのが一般的ですから、除夜の鐘もこの「零時」をまたぐように頃合いを測って撞くのだそうです。上手く零時の段階で最後の一回だけを残すには、それはそれで熟練した技術がいりそうですね。今晩の除夜の鐘は、上手に「旧年中に 107回、新年に 1回」つけているかなんて耳をすませてチェックしてみると、除夜の鐘の撞き方にも上手下手があるかもしれませんね。

◇最後にへそ曲がりな考え・・・
 でも、へそ曲がりな見方をすると、旧年中の煩悩 108は旧年中に全部祓って欲しいように思えますね。下手に 1回残してしまうから、これが元になってまた一年で 108にも増えちゃうんじゃないのかな・・・。まあ、煩悩が全然無くなると、人間でもなくなってしまうのかもしれませんから、煩悩の種を残しておくのかしらね。さ、一つ残ると考えるのか、全部きれいに祓い去ると考えるかはこれを読んでいる皆さんの考えにまかせるとして、「清い心」で除夜の鐘を聞き、年神様を迎えるために「たっぷり夜更かし」することにいたします。(「2018/12/30 号 (No.4474)」の抜粋文)

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