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31日ですが「晦日」の話 [かわうそ@暦]

□31日ですが「晦日」の話
 今日は1/31。1月最後の日ということで、晦日の話をいたします。

◇晦日は「みそか」
 晦日は、「みそか」と読みます、月のおしまいの日を表す言葉です。晦日と書いて「みそか」とは不思議な読み方ですが、こう呼ばれるようになったのは、「みそか」の語源が「三十日」だとわかれば頷けます。新暦では、月の終わりの日は30日か31日、あるいは28日か29日。合計 4通りの日付となりますので月の終わりの日は必ずしも「三十日」ではありませんが、月の終わりの日を「みそか」と呼ぶようになった時代使われていた暦、現在、一般に旧暦と呼ばれるようになった暦では、月の終わりの日付は29日か30日の二通りしかありませんでした。まあ、二通りしかといっても、二通りあたわけで、必ずしも月末の日が30日ではなかったのですが、それでも仮に「三十日」という日があれば、それは間違いなく月末の日でしたから、

  三十日 → みそか → 月のおしまいの日

 ということになり、日付が29日までしかない小の月であっても月の終わりの日は「みそか」と呼ばれるようになっていったのでしょう。

◇晦日は月のない日
 晦日の読み、「みそか」については今述べたとおりですが、晦日には「つごもり」という別の読み方もあります。「つごもり」は「月籠り」を意味する言葉。こちらの読みが生まれたのも旧暦時代のこと。ご承知の通り現在旧暦と呼んでいる暦は、月の満ち欠けによって暦月を区切る太陰太陽暦の一種で、月の終わりの日は新月の直前の日であって、月を見ることは出来ませんでした(厳密にはそうでない場合もあります)から、月の終わりの日は、月がどこかに籠もってその姿を見せない日、つごもりの日だったのです。「晦」という文字は、「くらます」とか「くらい」という意味があります。月(暦月)の終わりの日には月がどこかに姿を「くらまし」ていて、月が姿をくらましているから夜は「くらい」。単に暦月の最後の日なんて呼び方より、「晦日」「みそか」「つごもり」と呼んだり書いたりした方が、なんだか暦や言葉の成り立ちを感じられてよいですね(あくまでも個人的見解)。

◇「晦日」の寿命は?
 新暦にあっては月末でも月が姿をくらまして夜が暗いと決っていませんし、また「三十日」であっても月の最後の日とは限らないので、「晦日」という言葉もいずれはなくなってしまうかもしれません。
 さてさて、「晦日」の命数は後どれくらい残っているのでしょうか?でも、天保暦が廃止されて太陽暦に移行したときには、早晩、この古い暦は使われなくなるだろうと思われたでしょうけれど、気が付いたら150年経ってもまだ、何かというと旧暦が顔を出すことを思うと、「晦日」という言葉も、案外しぶとく、命脈を保つかもしれませんね?(「2019/01/31 号 (No.4506) 」の抜粋文)
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