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八月大名 [かわうそ@暦]

□八月大名
 今日から、旧暦はようやく八月。こんな話を書いている私ですが、生まれた時から使っていた暦は現在の暦、新暦ですから、八月といえば夏の盛りというイメージですが、旧暦での八月の位置づけは、秋の真ん中の月、仲秋です。ここのところ、朝夕は薄着だと肌寒さを感じるような気候となってきましたから、そろそろ体感的にも「秋」と表現してもよい時節だと思います。さて、そんな旧暦八月の初めということで、旧暦の八月にまつわる話を一つ取り上げることにいたします。本日の話は「八月大名」という言葉についてです。昔昔、忙しい日々を送っていた農家の人たちも二月と八月は農閑期で、のんびりと骨休めをすることが出来るということから、八月を八月大名(はちがつだいみょう)と呼んだそうです。ここでいう八月はもちろん旧暦の八月ですから、今の時期を指した言葉といえるでしょう。春から夏にかけて丹精込めて育てた稲もようやく実りの秋を迎え、後は刈り取りを待つばかり。そのうえ暑さも収まり、過ごしやすくなる頃ですし、恐い台風さえやってこなければ、万々歳。そんな時期です。気候も好いし、辛い農作業から暫し解放される時期でもあり、まるで大名のようにゆっくりと骨休め出来るということでこんな言葉が生まれたようです。現在は、俳句の秋の季語の一つとしてこの言葉が残っています。

◇広辞苑にも
 まさかこんな言葉はと思いつつ、いつもコトノハでお世話になる広辞苑を引いてみると、ありました。

 【八月大名】(はちがつ だいみょう)
  農家にとって8月は労働をあまり必要とせず、気楽な月であることをいう。《広辞苑・第六版》

 まさかと思っていましたが、流石です。恐るべし広辞苑。

◇八月はご馳走の月?
 「八月大名」の言葉は、前述の大名のようにのんびり過ごすことが出来る月だからという理由の他に、八月がご馳走の月だからだという説もあります。それは八月が農閑期で、気候もよい時期であることから普段なかなか出来ない行事、法事や嫁取りなどの祝い事がこの月に集中したことから、連日ご馳走にありつける月だと言うことです。まあ、ゆっくりと骨休めをして、ご馳走を食べて一年の農作業の集大成とも言うべき稲刈りに備える月とでも言いましょうか。昔の方々が築いてきた伝統にあやかって、私も「八月大名」の気分で暫くのんびりと骨休めしようかな? かなわぬ願望とは解っていますけど。(「2019/08/30 号 (No.4717)」の抜粋文)
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