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「雪下出麦」、恥ずかしながら間違えてました [かわうそ@暦]

■「雪下出麦」、恥ずかしながら間違えてました
 本日は恥ずかしい失敗の話です。私のことですので、失敗談には事欠かないのですが、本日の話は最近発覚した、長いこと間違えていたことの話です。何を長いこと間違えていたかというと、七十二候の読み。間違えていたものは

  雪下出麦 ・・・ 雪下りて麦のびる(ゆきくだりて むぎのびる)

 これは七十二候の六十六候(冬至の末候)。直近では2024/1/1~1/5に配された七十二候です。こちらの読みを長いこと「ゆきわたりて むぎのびる」と間違えいたのでした。さて、どこがちがっていたか、判りましたか?こよみのページで使用している七十二候は、基本的には明治時代の略本暦に一時期書き込まれていたものを、読み仮名まで含めて使用しています。とは云いながら、実際にはこよみ読み解き事典(岡田芳朗+阿久根末忠編著 柏書房)に各時代の各時代の七十二候をまとめた表が有り、これから引用させていただいたのです。そこにあった「雪下出麦」の読みが誤っていました。この間違いについては「下りて」がなぜ「わたりて」になるのかと云ったご質問を受けて、資料を確認して誤りだと気が付きました。元になった明治期の略本暦(七十二候が記載されていたのは、明治七~十七年の間)の七十二候の読みは当時、慣用的に使っていただろう読みで、意訳としか思えないような読みもあるので、この候もそうしたものなのだと思って、疑問にも思わなかったのです。ご質問があって、前出の「こよみ読み解き事典」の表を確認しましたが、ついでに手持の略本暦を引っ張り出してきたら、明治八年、十一年のものがあったのでこちらも「念のため」と思って確認したところ

   雪下出麦 ユキクダリテムギノビル

 とありました。あらら「くだりて」じゃないか・・・。なぜこれが「わたりて」と間違えたのか?と思いましたが、略本暦の読み仮名のとおり、カタカナで書き表してみたら判りました。並べてみましょう。

  (正) ユキクダリテムギノビル
  (誤) ユキワタリテムギノビル

 あ、「ク」と「ワ」を間違えたのだ!当時の略本暦は木版印刷だったと思われるますので、本によっては印刷のかすれなどで読みにくい場合もありますし、版によっては濁点が省略されているもの(昔はよくあった)もあって、「こよみ読み解き事典」収録の際に読み違えたもなのではないかと推測した次第です。今回、実際の略本暦を確認して間違いが判りました(読み仮名、小さいので拡大鏡で拡大して読みました)。間違いは恥ずかしいですが、遅ればせでも間違いに気がつけて訂正できたのは何より。質問いただいてよかった。もちろん、誤りに気がついてWeb こよみのページの七十二候のページの読みは直ぐに直しましたので、現在は正しく表示されております。本日は、恥ずかしい私の間違い話から、最近の一つをご紹介しました。「雪下出麦」は「ゆきくだりて むぎのびる」ですよ、皆さん!間違えてしまって、済みませんでした。ごめんなさい。

                          (「2024/01/28 号 (No.6329) 」の抜粋文)
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