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祝2460000日、切りのよいユリウス通日の日 [かわうそ@暦]

■祝2460000日、切りのよいユリウス通日の日
 本日の暦データを見るとユリウス通日 2460000.5 (日本時 9時の値)という数字が見つかります。おお、なんか切りのよい数字(端数に0.5がついているけど)。これは目出度い。実はこの切りのよいユリウス通日に気付いたのは、知人(先輩)からのメールでした。メールの本文は仕事関係のまじめな(?)業務連絡でしたが、その文面の最後に一行「おめでとう、ユリウス日 2460000!」と書かれていました。おっと、そうだった。毎日日刊☆こよみのページを発行していて、そこにはユリウス通日が書き入れられているのですが、毎日毎日見ていると数字の「意味」を感じなくなってしまっています(これって一種のゲシュタルト崩壊?)。そんなわけで、指摘されて初めて気がついた事実でした。ちなみに、ユリウス通日の本当に切りのよい 2460000日となった瞬間は2023年2月24日の世界時正午(日本時で表せば2月24日の21時)でした。

◇ユリウス通日とは?
 そもそもユリウス通日とはなにかというと、ある基点となる日から、延々と日数を数えてきたものです。スカリージェ(Josephus Scaliger)がという人物が1583年に考案したものです。スカリージェは歴史上の出来事の前後関係を正しく知るためにユリウス通日(「ユリウス日」ともいう)を考案しました。暦は時々、改暦されることがあって、改暦されるとその前後の暦では同じ日付でも異なる日を指し示すことになることがあるのです。この「こよみのこぼれ話」でも採り上げた例でいうと世界的な文豪の二人、イギリスのシェイクスピアとスペインのセルバンテス(「ラマンチャの騎士ドン・キホーテ」の作者)の命日がいい例です。二人の命日は1616/4/23と同年同月同日ですがシェークスピアの方がセルバンテスより10日遅れて亡くなっています。理由はこの当時使われていた暦がセルバンテスが暮らしたスペインではグレゴリオ暦であり、シェークスピアが生きたイギリスではユリウス暦だったからです。ややっこしい話です。スカリージェはこうしたややっこしい話を抜きにして歴史の出来事を通覧したいと考えてこのユリウス通日を考案したと言われます。ユリウス通日は単純で1日が経過したら1日をプラスするだけ。年とか月とかの概念もなく、改暦の影響も受けません。単純だからこその堅牢さとでも申しましょうか。もっとも、単純で堅牢なユリウス通日の仕組みですが、今日は2460000日なんて言われても、その日付は分かりませんが、日付についてはユリウス通日を表示したい「暦」に合わせてその暦の規則に従って変換すればよいわけですから、それほど大きな問題ではありません(日常で使うものではないですしね)。ちなみに、例として挙げたセルバンテスとシェークスピアの命日である 1616/4/23 をユリウス通日で表せば

  ユリウス暦  1616/4/23 : 2311404.5日 (セルバンテス)
  グレゴリオ暦 1616/4/23 : 2311414.5日 (シェークスピア)

 となります。ちなみに、ユリウス通日の日付の区切りは「正午」に置かれているために、午前0時(「正子」)を日付の区切りとする一般的な日付を変換すると 0.5日という端数がつくことになります。ついでですが、ユリウス通日の基点は BC4713/1/1のグリニッジ正午です。

◇次の切りのよい日は?
 1万日単位で、今回とその前後のユリウス通日の切りのよい日は

  (前回)2650000日 = 1995/10/9
  (今回)2660000日 = 2023/2/24
  (次回)2670000日 = 2050/7/12
   ※日付は何れも世界時正午です。

 となります。一般的にはなんてことのない話ですが、一部の変わり者にとっては27年に1度のチャンスと言うことで、本日は「祝 ユリウス通日 2460000日」の話を採り上げてみました。さて、次回の日まで生きているかな、かわうそ?

                          (「2023/02/25 号 (No.5992) 」の抜粋文)
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2023-02-25 [twitter投稿]



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