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3/25は新年の始まり? [かわうそ@暦]

□3/25は新年の始まり?
 「新年の始まりの日付はいつですか?」と尋ねたら、十中八九 
 
  1/1 です

という答えが返ってくるでしょうね。十中八九じゃなくて、十中十かな?回答以前に、こんな当たり前の質問をした私の頭の具合を心配されそうですけれど。しかし、中には違った回答をして下さる方もいらっしゃるかも(十中八九の残り一二?)。例えば、

  「立春」とか「旧正月」

 といった具合です。もしかしたら、

  「4/1」

 という方もいるかも知れません。「年度」という単位で考えると、日本では案外こうした回答もあるかもしれません。一年という長さは季節が一巡りする長さという人間の生活に無くてはならない周期によって決まりますから、地球の上で暮らす人間の社会では、その長さはほぼ普遍的です。しかし、その一年の始まりはいつかという話になると、これでなくてはならないという決定的なものがありません。そのため古い時代の暦はその生まれた場所(というか文化圏?)によって年の初めの時期は結構まちまちです。

◇ヨーロッパの伝統的年初の日付は3/25
 中国や日本の伝統的な暦年(現在のいわゆる旧暦の一年)の始まりは立春の時期とされていました。これに対してヨーロッパでは伝統的にもう少し暖かくなった頃、春分の頃を年の始めとする考え方がありました。ヨーロッパではグレゴリオ暦、あるいはその前身となったユリウス暦が広く使われており、この暦での年の始まりはユリウス暦がローマ帝国で採用され始めた紀元前 1世紀の時代から 1/1とされてきました。しかしこの年初の日付は、もっぱら為政者側の都合が反映されたもので秋の収穫が終わり、それに基づいた税の徴収も一段落していて、さらに次の年の作業もまだ始まらない時期(暇な時期?)なので区切りやすいといった理由がありそうです。もちろん目印となる「冬至」の時期に近いということもあるでしょうけれど。ユリウス暦が一般化する以前のヨーロッパでは、多くの地域で春分の頃を年初と考えていました。厳しい冬が去り、草木や作物が成長を始める春の初めを一年の初めと考えていたのでしょう。御上(おかみ)の都合で勝手に年初の位置を変えられても昔から慣れ親しんだ慣習はそうそう簡単には無くなりません。なかなか無くならないどころか、ユリウス暦が採用されてから千年以上経っても春分の時期を年の始まりと考える国がありました。そうした国の一つがイギリスで、なんと18世紀まで年の始まりの日は春分の頃である3/25とされていたのです。イギリスはユリウス暦の改良版であるグレゴリオ暦への改暦が遅かった国の一つでもあり、グレゴリオ暦への改暦は1752年。そしてこのグレゴリオ暦への改暦に合わせてそれまでの、3/25の年初を 1/1に変更したのです。3/25なんていう半端な日付(?)を年初と考えるなんてなんだか不合理だという気もするのですが、慣れてしまえばどうってことは無いのかも。暦にまつわる話の中には時々こんな、不合理と思えるものが混じっているのです。こうした不合理さは暦の不合理というより、暦を使う人間の不合理さを示すものなのでしょうね。

                          (「2023/03/25 号 (No.6020)」の抜粋文)
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カリン(花梨)の花! [ヘッダー画像]

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別名:アンランジュ(安蘭樹)モッカ(木瓜)クワズナシ(食わず梨)
20.23.03.24撮影
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