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雷記念日と天神様 [かわうそ@暦]

□雷記念日と天神様
 今日は菅原道真ゆかりの「雷記念日」ということで、雷にかけて天神様の話等を書いてみましょう。菅原道真といえば、学者でありかつ政治家。道真は宇多天皇に信任され右大臣にまで昇りましたが、道真の政治力増大を恐れた左大臣の藤原時平によって讒訴され、醍醐天皇によって大宰府へ権帥(ごんのそち、太宰府の長官代理のようなもの)として左遷されました。ちなみに道真が太宰府に左遷された1/25は「左遷の日」とされています。さて左遷された道真はその任地、太宰府で無念のうちに没しました。するとその頃から京の都では落雷と落雷が原因となった火災が多発。道真を陥れた藤原氏からも大納言の藤原清貴が落雷が原因で死亡するという事件が起こります。大変すぐれた才能を持った人を「天才」といいますが、この言葉は本来天下の鬼才を省略したもので、こうした人に絶した能力を持つ人は強い霊力のようなものを持っていると考えられました。道真も大変優れた人物でありましたからこうした強い霊力を持っていたという風に考えられるようになり、その強い霊力を持った人が、怨みを残して死んだとすれば

  怨みを残した死 → 関係者への祟り

 と連想は進みます。こうなると「身に覚え」のある人たちは、明日は我が身かと祟りをおそれます。
 殊に今回の災害は「雷」。雷は

  雷 = 神鳴り

 で、天の神が発する音や光だと考えられますから道真は実は天の神(天神)の生まれ変わりで、この人物を策略を持って殺して(実際に殺した訳ではありませんが)しまったので、神様に戻った道真が祟りを為しているのだと考えました(このころ、「道真=火雷天神」と考えられた)。さて火雷天神道真の怒りを鎮めるためにはどうするかと考えた朝廷は元々京都の北野の地にあった火雷天神を祀っていた場所に北野天満宮を建立して、道真の祟りを鎮めようとしたしました。また、太宰府にも太宰府天満宮を建立してなんとか天神道真の怒りを鎮めようとしたのでした。その慌て振りを見ると、やはり「身に覚え」があったってことでしょう。

◇天神様は、学問の神様・豊作の神様
 さてこうして元々は道真の祟りを鎮めんがために生まれた天神様信仰でしたが、今では学問の神様として、また豊作を約束してくれる神様として信仰され、全国に分社が出来ています。学問の神様となったのは、道真が当時は随一と言われるような学者であったことから、その学徳にあやかったものです。天神様の縁起は知らなくとも受験シーズンにお参りしましたという方はいらっしゃることと思います。天神様はまた豊作の神様でもあります。こちらはなぜかといえば、「雷」からです。雷は「稲妻(いなづま)」ともいいます。雷は天から地へ向かって真っ直ぐに落ちてくるように見えます。これは天の力が大地に向かって流れ込んでいるように見えます。そしてこの雷が多発する時期は稲の花が咲いて実を実らせ始める時期。天の力が雷となって大地に落ちると、それが稲に働きかけて実りとなるのだと古代の人は考えました。雷は正に稲を実らせる「稲妻」だったのです。この考えがありましたから、雷の神様、火雷天神とされた道真を祀る天神様は、豊作を約束する神様となって、実りの秋ともなれば各地でその年の秋の収穫を感謝する秋祭りの舞台となりました。現在の暦の6/26だとまだ雷にはちと早い時期ですが、930年(延長8年)の6/26という日付を今の暦(グレゴリオ暦)に換算して考えるとこの日は、7/29頃にあたりますから、雷が活躍するにはぴったりの時期。そんなわけで、藤原清貴が亡くなる原因となった清涼殿への落雷も、雷の多い時期に起こった当たり前の自然現象だったのでしょうが、「身に覚え」のある方々のおかげで「雷記念日」となって今にその日付をとどめ、そして菅原道真公を神格化する結果になったみたいですね。さあ今年は雷の神様、天神様はどれくらい活躍なさるおつもりか?これからの夏場が雷のシーズンですから、じっくりと天神様の活躍の様を拝見することに致しましょう(落雷はご勘弁願いたいですけど)。

                           (「2023/06/26 号 (No.6113)」の抜粋文)
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今日(6/26)の夜空に見える月は【上弦の半月】です [かわうそ@暦]

◆今日(6/26)の夜空に見える月は【上弦の半月】。
上弦の月は日が暮れる頃は、真南の空の高いところにあり、日付が切り替わる頃に、西の地平線に沈んでゆきます。旧暦日による呼び名では【九日月】です。

◆お月様の基礎データ
・上弦の半月の瞬間は 6/26 16時50分 (月齢は 8.1)
 ※上弦の半月とは、月と太陽の黄経の角度差が90度となる瞬間です。
・月出:6/26 11時33分 月没:6/26 23時51分 (東京での時刻)
・南中(真南に見える瞬間):6/26 17時46分 (東京での時刻)
・南中時の月と地球の中心距離は 398000 km (平均距離の 1.03倍)。

 月は平均より 13000km遠く、見かけの大きさはいつもより少し小さいです。お月様、見えるでしょうか?見えるといいですね。(「お月様メールのお知らせ」の抜粋文)
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