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今日の夜更けの空に昇る月は【下弦の半月】です [かわうそ@暦]

◆今日の夜更けの空に昇る月は【下弦の半月】。
下弦の月は日付が切り替わる頃に東の空に昇り、夜明け頃には、真南の空の高い場所に見つけることができます。旧暦日による呼び名では【二十二夜の月】です。

◆お月様の基礎データ
・下弦の半月の瞬間は 9/7 7時21分 (月齢は 21.5)
 ※下弦の半月とは、月と太陽の黄経の角度差が270度となる瞬間です。
・月出:9/6 21時49分 月没:9/7 13時 3分 (東京での時刻)
・南中(真南に見える瞬間):9/7 5時23分 (東京での時刻)
・南中時の月と地球の中心距離は 39万km (平均距離の 1.01倍)。

 見かけの大きさは平均的です。お月様、見えるでしょうか?見えるといいですね。

                           (「お月様のお知らせメール」の抜粋文)
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スーパームーン雑話・観測地点と月との距離 [かわうそ@暦]

■スーパームーン雑話・観測地点と月との距離
 数日前の8/31の満月は、今年(2023年)で最も見かけの大きさが大きな満月、つまり今年の満月の中で、月と地球の距離が近い状態の月でした。そのため巷ではスーパームーンなんて呼ばれていました。スーパームーンがいかなるものかについては8/30のこのコーナーで採り上げましたので、思い出して頂きたい(あるいは、バックナンバーの記事をお読みください

 (http://koyomi8.com/cgi/magu/index.php?date=20230830)。

 本日の記事は、実は8/30の記事を書きながら考えていたことを書いたものです。近頃では「スーパームーン」なんていう言葉が一般化してきて「今年のスーパームーンはいつですか」なんていう質問が「こよみのページ」にも時々寄せられるようになってくるほど、月の見かけの大きさに敏感な方々が増えてきているようです。「年月日」という言葉の中に「月」が入るほど、暦の話をする上でも月は重要な天体で、暦を作るために月の動きや満ち欠けは古代から観測され続けてきたものですので「こよみのページ」の管理人である私としても、月に興味を持つ方々が増えることは嬉しいのですが、その一方で月への興味が一部の人々にに煽られて作られた一種の流行のように思えることがあって、そうした動きには幾分かの危惧を覚えることがあります。スーパームーンに関して言えば、満月の中で一年で一番月と地球が近い状態でスーパームーンと呼ばれる月と、そうでない満月、たとえばその年で地球と月の距離が2番目に近い満月とで、月と地球の距離を比べたとき、その差は案外小さくて、その差なんかよりずっと大きな距離の変化が毎日起こっているのですが、そんなことは誰も気にしない。月の見かけの大きさ変化なんて本当は誰も気にしていないんじゃないかな?本物の月を見ることに興味があるのじゃなくて「スーパームーン」というイベント(?)に興味があるだけじゃないのかなと、危惧してしまう次第。ま、年寄りの繰り言かな?

◇「スーパームーン」の距離
 8/31の満月は、確かに今年一番月と地球の距離が近い状態での満月で、スーパームーンと呼ばれる月だったわけですが、歴代のスーパームーンと比較したら、どのくらいのものだったのでしょうか?興味がありましたので、1900~2099の200年間の満月の瞬間の月と地球の距離を計算して近い順に並べてみました。結果は次の通り。

  第1位 1912/01/04(356375 km)
  第2位 1930/01/15(356405 km)
  第3位 2052/12/06(356426 km)
   (中略)
  173位 2023/08/31(357341 km) ← 2023年一番近い満月

 ううん、歴代のスーパームーンの中に入れて並べると、今年のスーパームーンは 173位か・・・。ちょっと寂しい。今年のスーパームーンの名誉のために申しますと、200年間の2474回の満月の中の173位だからそんなに悪い成績じゃありません。とはいっても、やはり173位ね。ただ1位の1912/1/4の満月と8/31の満月の距離の差はというとこれがたったの966km。思いの外小さい差です。これくらいの差なら、なんとか逆転出来ないものかな?

◇観測地点と月の距離
 逆転の可能性、あります。それは、地球上の観測地点と月までの距離を考えること。スーパームーンの距離の順位の元となった距離は月の中心と地球の中心の距離です。普通、月と地球の距離と言えば、この距離のことですが当たり前の話ですが、地球の中心から月を眺めることなんか出来るはずもありませんのであくまでも理論的な距離。現実には「月を眺める」のは、地球中心ではなくて地球の表面のどこか、たとえば東京という街からということになります。地球は自転していますから仮に月の中心と地球の中心の距離が一定だったとしても、東京と月の距離を考えると、地球自転のためにその距離は刻々と変化することになります。この距離は1日で最大、地球の直径分(約12800km)変化する可能性があります。もちろん地球の直径分変化するためにはいろいろな条件がそろう必要がありますので普通はそこまで大きな変化にはなりませんが、それでも数千kmくらいの変化は毎日起こっています。試しに、歴代(?) 173位のスーパームーンの2023/8/31の満月について、満月の瞬間の東京と月(中心)の距離を計算してみると

 362966km (2023/08/31 10時36分)

あれれ、遠ざかっちゃった。これはもしかして・・・そう思って、2023年の満月で2番目に月と地球の距離が近い 8/2の満月についても同様の計算をしてみると

 356246km (2023/08/02 3時32分)

おっと、東京限定で計算してみると、2023年に関しては1位と2位が逆転してしまいます。それもなんと、6720kmも。見れば、地球中心で考えた1900-2099年の間の歴代1位のスーパームーンより8/2の東京と満月の月の距離の方が 129kmも近い!「2023年のスーパームーンはいつですか?」と興味を持つのもよいですが、スーパームーンの順位を逆転させてしまうほどの距離の変化が、地球の表面から月を眺める私たちと月との間には、毎日起こっていることにも、興味を持ってくれるといいなと思います。

                          (「2023/09/06 号 (No.6185) 」の抜粋文)
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