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花祭り(灌仏会) [かわうそ@暦]

□花祭り(灌仏会)
 明日は四月八日、花祭りの日です。花祭りは、仏教では重要な行事で灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)という行事の別名です(他にも、降誕会、仏誕会、誕生会、龍華会などともいいます)。呼び名はいろいろですが、要は仏陀となられた釈迦がお生まれになった日を祝う行事です。

◇花祭りの日付
 花祭りの日付は「四月八日」ですが、これを新暦、月遅れ、旧暦と違った暦の日付で祝うため、地域により花祭りの時期が変わります。現在は主として関東は新暦の 4/8。関西は月遅れの 4/8つまり、 5/8に行うのが一般的なようです。

◇花祭り(灌仏会)の始まり
 『四月の八日、七月の十五日に設斎(おがみ)す』という記述が日本書紀、推古天皇十四年(AD 606)の条に書かれているのが日本における灌仏会の最初の記録だそうです。七月十五日というのは盂蘭盆会のことですね。灌仏会は、盂蘭盆と並んで日本における最古の仏教行事といってもよさそうです。灌仏会そのものは中国で生まれた行事だと考えられます。

◇花祭りの行事といわれ
 花祭りの行事といえば、花々で飾られて花御堂(はなみどう)を作り、その中に置かれた灌仏盤(かんぶつばん)または、浴仏盆(よくぶつぼん)と呼ばれるものの中に誕生仏を安置し、参拝者が竹の柄杓でこの誕生仏に甘茶を注ぐ。というようなものです。それぞれのお寺によりちがいが有るでしょうが、だいたいはこんなところでしょう。花御堂は釈迦が誕生したルンビニの花園を表しています。また、甘茶を誕生仏にかけるのは、釈迦の誕生を祝って九頭の龍が天から甘露を注いで産湯を使わせたという故事にちなむと言います(経典によっては龍の代わりに梵天や帝釈天だったりします)。つまり甘茶は、龍が注いだ甘露の代わりということです。平安時代は五種類の香料から作られた五色水(ごしきすい)を注いだといいます。五色水が甘茶に代わったのは江戸時代のことといわれます。このように、甘露に見立てた甘茶や五色水を誕生仏に注ぐことから、「灌仏会」と呼ばれます(「灌」は、注ぐの意味)。参拝者は帰りにこの甘茶を水筒(昔は竹筒の水筒)に詰めて帰ります。この甘茶を飲むと厄除けの効果があるとか。甘茶は漢方薬である甘草(かんぞう)で作るそうなので身体にもよさそうです。

◇「花祭り」と呼ばれる理由
 花祭りは、花御堂を造って誕生仏を祭ることから付いた名で、聖徳太子の時代からそう呼ばれたと言いますが、一般化したのは大正時代以後だと言われます。きっかけになったのは大正 5年から仏教関係者連合が日比谷公園で花祭りを実施し、年中行事としたことによると言われています(それ以前にも仏教青年伝道会等が「花祭り」を実施していた)。仏の誕生を祝う行事であるためか、子供を中心とした行事が多く、その意味で「灌仏会」なんて言ういかめしい名前より、「花祭り」という柔らかな名称が好まれたとも考えられます。何はともあれ、四月八日はお釈迦様の誕生日。明日はみんなでお祝いしましょうね。

                          (「2023/04/07 号 (No.6033)」の抜粋文)
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2023-04-07 [twitter投稿]



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ギンリョウソウ(銀竜草)! [ヘッダー画像]

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別名:ユウレイタケ(幽霊茸)
2023.04.07撮影
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