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ヒメリンゴ(姫林檎)の花 ! [ヘッダー画像]

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別名:イヌリンゴ(犬林檎)、ミカイドウ(実海棠)
2023.04.07撮影
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今年(2023年)の復活祭 [かわうそ@暦]

■今年(2023年)の復活祭
 復活祭(ふっかつさい)の日付は春分の日の後の最初の満月の次の日曜日と決められています。なんか面倒くさい決まりですね。キリスト教の祝祭日というと、日本ではクリスマスが思い浮かぶ方が多いと思いますが、キリスト教との教会暦(「典礼暦」:てんれいれき)では、もっとも大切な祝日とされるのは復活祭です。復活祭はまた、イースター(Easter)とも呼ばれ、こちらの方がなじみのある言葉かも知れません。

◇復活祭は「移動祝日」
 冒頭に書いた「復活祭は春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」は復活祭の日付を決めるための定義です。なんだか判りにくいものですが、「復活祭は○月×日」と書いていないところを見ると、こんなふうに日付に固定された単純な祝日でない事はお解りいただけると思います。復活祭はこのように、年毎に日付が移動する移動祝日で、教会暦での祝日ににはこの復活祭を起点に、復活祭の前(後)××日という方法で日取りを決めるものが多くありますので、教会暦の一年はまずこの復活祭を計算しないと始まらないとも言えます。

 ※Web こよみのページの「その他の暦日計算」に「キリスト教の移動祝日計算」が有りますので、ご覧ください。⇒ http://koyomi8.com/sub/easter.html

◇復活祭は過越の祭
 復活祭は「イースター(Easter)」とも呼ばれますが、また「パスハ(Passover)」とも呼ばれます。このパスハは過ぎ越しの祝いの意味でユダヤ教の過ぎ越しの祭りから生まれた言葉です(過ぎ越しの祭りを意味するヘブライ語は「ペサハ(pesach)」だそうです)。こうなったのは、キリストが十字架にかかり、それから三日目に神として復活したことを祝う復活祭本来の日が、ユダヤ教の過ぎ越しの祭りの期間にあったためです。

◇現在の復活祭の計算は?
 復活祭の日付は既に書いたとおり、ユダヤ教の過ぎ越しの祭りに連動するものでしたが、困ったのは過ぎ越しの祭りはユダヤ暦の日付で決められていてこのユダヤ暦が太陰太陽暦の一種であったことです。キリスト教はローマ帝国の版図に広がって行ったわけですが、ローマ帝国の暦は太陽暦(当時はユリウス暦)でしたから、日付が固定出来ません(現在の日本の旧暦と新暦の関係に似ています)。それに、自分たちの神の誕生日とも言える復活祭の日付が異教徒であるユダヤの暦で決められるというのは面白くないことです。そこでユダヤ暦に縛られずに復活祭の日付を決めるために考え出された規則が冒頭の一文ということになります(AD 325年の第一回ニカエア公会議で決定)。

◇西方教会系と東方正教会系の復活祭
 ユダヤ暦から解放され、一旦は統一された復活祭ですが、現在は大きく二つの系統に分裂してしまいました。その原因となったのは、グレゴリオ暦への改暦です。グレゴリオ暦は、実際の春分の日とニカエア公会議で決定された春分の日(3/21に固定)が大きくずれてしまった事を修正するために生まれた暦ですが、この改暦はカトリック教会によって為されたもので、キリスト教全体で話し合って決めたものではないのではありません。ですから、この改暦を認めず伝統的なユリウス暦での復活祭計算を続ける宗派があります。その主な宗派はギリシャ正教やロシア正教などのいわゆる東方正教会派。こうしてグレゴリオ暦を使う西方教会派と、ユリウス暦を使う東方正教会派の二つの復活祭が出来てしまいました

 ※他にも、宗派によって細かな違いがあるようですが、この辺りは暦の話ではなくて、各宗派の話なので、ふれません。

 この結果、今年(2023年)の復活祭の日付をグレゴリオ暦で示せば、

  4/ 9 ・・・ 西方教会系  4/16 ・・・ 東方正教会系(ユリウス暦では 4/3)

 となりました。ということで、明日は西方教会系の復活祭ということで、復活祭の日付にまつわる暦のこぼれ話でした。ああ、皆さんの記憶力が私並みで、忘れっぽかったら、来週の今日もこんどは「東方正教会系の復活祭」に合わせて同じ話が書けるのにな。そんなうまい話は、もちろんありませんよね。

                          (「2023/04/08 号 (No.6034) 」の抜粋文)

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