SSブログ

2021-08-13 [twitter投稿]



nice!(0)  コメント(0) 

「洗車雨」と「洒涙雨」・七夕と雨の話 [かわうそ@暦]

■「洗車雨」と「洒涙雨」・七夕と雨の話
 昨日のこのコーナーで、ペルセウス座流星群の話を書きながらふと暦日のデータを見ると、旧暦では七月五日でした。と言うことは、旧暦では今日は七月六日、明日は七月七日。旧暦の七夕がやってくるわけです。旧暦の七月は秋の最初の暦月。七夕も本来は初秋の行事だったんだと改めて感じました。そうか、この時期は暦では秋なんだよな~。ペルセウス座流星群といい七夕といい、どちらも夜空の星を眺める行事(流星群を「行事」というのは変かな?)ということで気になったのが両行事の夜の天気。早々、日本の誇る気象庁の天気予報を拝見するとこの辺りの天気は・・・雨、雨、雨。うーむ、困ったものだ。連日の雨の予報に暗澹となってしまいました、暗い気持ちになってばかりもいかないので、気を取り直して七夕に係わる雨の話を書いてみることにしました。

◇洗車雨(せんしゃう)
 七月六日に降る雨です。七月七日に降る雨だとされることもあります。一年に一度、織女と会うために牽牛がせっせとその牛車を洗う水が雨となって降り注ぐのがこの雨です。一年に一度の逢瀬ですから、牛車を洗う牽牛さんも、ついつい力が入っちゃうってことでしょうか。

◇洒涙雨(さいるいう)
 さてさて、逢瀬の日の前日、牛車の準備の過程で降る洗車雨なら、七夕の日の逢瀬には問題ありません。それどころか、大気中の塵を洗い流して、肝心な七月七日の夜にすばらしい星空を用意してくれるかもしれません。が、しかし、その肝心な日に雨が降ってしまうと・・・。その肝心の七月七日の夜に降る雨を「催涙雨(さいるいう)」とか「七夕雨(たなばたあめ)」といいます。牽牛と織女が一年一度の逢瀬の後で、再び別れ別れとなる際に流す惜別の涙が雨となって地上に達するのが、洒涙雨だと云われます。一説には、七夕の夜に雲のため逢瀬が叶わない二人が流す悲しみの涙とも云われます。前者のように逢瀬の後の別れを惜しんで流す涙の雨ならまだしもですが、逢瀬が叶わないために流す涙だとすると、可哀想です。でも明日は一日中雨の予報。こうなると「逢瀬が叶わない悲しみの涙」となっちゃいますね。

◇ついでに「七夕流し(たなばた ながし)」
 七夕の夜を台無しにしてしまう長雨のことを、七夕流しといいます。予報どおり昨日から雨が降りだし、今日も朝から雨で明日も雨の予報となると、この雨は「七夕流し」の雨といえそうです。折角のペルセウス座流星群の極大期前後と七夕(旧暦のだけど)という二大星空行事だというのに、この「七夕流し」の雨が台無しにしてしまいそうです。

  雨降りて願いの糸のあはれなり (村上鬼城)

 牽牛と織姫の願い適って、せめて明日の夕方までに雨が上がってくれること祈ることにしましょう。気象庁の天気予報が外れることを祈るようで申し訳ありませんがね。(「2021/08/13 号 (No.5431)」の抜粋文)

nice!(0)  コメント(0)