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昼が一番短かく感じられる時期 [かわうそ@暦]

■昼が一番短かく感じられる時期
 本日の話は、この季節になると取り上げている話題。二番煎じ、三番煎じなのですが、やはりこの季節になると思い出さずにはいられない話題なので、今年も取り上げてみます。日刊☆こよみのページで毎日、日の出日の入りの時刻をチェックしてくださっている皆さんの中にはすでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、12/6の前後数日は各地でもっとも日没の時刻が早くなる頃です。「頃」というのは緯度によって多少ずれがあるため、どこでも「この日が最も早い」とはいえないからです。

◇昼が一番短いのは冬至の日
 ご存じの通り昼がもっとも短くなるのは冬至の日です。今年は 12/22ですね。まだ冬至までは半月も間がありますが、日没だけを取り出して考えるとその時刻が最も早くなるのは今の時期です。昼がもっとも短い日と日没がもっとも早い日が一致しないことの謎は、朝日の昇る時刻、日出時刻の変化も併せて考えることで解けます。「日出が一番遅い日」と「日没が一番早い日」は一致しないのです。

  昼が一番短い日 (12/22 6:47 16:32 9:45)※冬至
  日没が一番早い日(12/06 6:36 16:28 9:52)
  日出が一番遅い日( 1/07 6:51 16:43 9:52)※2023年の日付

 東京を例にとって、3つの日について、それに対応する日付と日出・日没・昼の時間(日出~日没の時間)を求めてものが上の数値です。12/6は日没時刻 16:28は 3つの日の中で一番早い時間ですが、昼の時間を見ると9:52と冬至の日9:45より 7分長い。昼の時間が一番短い冬至の日は日出、日没ともそこそこ遅く、そこそこ早いけれど一番ではないのです。こうした食い違いが発生する理由は太陽を基準にした 1日の長さ(真太陽日といいます)が私たちが日常生活に用いる時計による24時間の 1日(平均太陽日といいます)と異なることによります。太陽を基準とした一日は季節によって24時間より長かったり、短かったりするのです。これに対して、時計の示す1日の長さは季節によって変化することが無いので、そのちょっとした差(1日単位では数秒~十数秒程度)が積み重なって、分単位の差を生み出します。この時計の一日と太陽の一日の間に生ずる差は「均時差」と呼ばれます。均時差が生まれる理由は地球の赤道面と地球の太陽を巡る公転面が一致しないこと、地球の軌道が円ではないことによって起こります。結構ややっこしい話なので興味のある方は、

  暦と天文の雑学 ⇒ 冬至は一年で一番日の出の遅い日か?・・・均時差の話
  (http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0508.htm

 をお読みください。ということでここでは詳しい理由は省略します。

◇体感的な一日
 さて、一日の昼の長さが一番短いのは冬至の日だということは間違いないのですが「体感的な昼の長さ」を考えるとどうでしょう。私たちの生活は時計の示す時刻と密接に関係しています。特に日没の時刻は平均的な勤め人の場合には仕事の終わる時刻に近いため、仕事が終わる時間に外に出て「真っ暗」だとするとああ、日が短くなったなと実感するのではないでしょうか。そのため、本当に昼の時間がもっとも短くなる冬至の日より、日没の時刻が早い12/6前後の方が、昼が短くなっているように感じる気がします。こんな風に実際の昼の長さと体感上の昼の長さが異なるようになってしまった理由は、私たちが「時計の上の 1日」で暮らすようになったからです。均時差などの問題は時計の上での 1日を過ごすために起こることであって、太陽を基準とした 1日を過ごす上では起こりません。明治の中頃までは、時計の一日ではなくて、太陽の一日を使って暮らしていましたから、現在の私たちが体感的に12/6頃が一番昼が短くなってしまったような「錯覚」に陥ることは無かったでしょう。そう考えると、体感的な「昼が一番短い日」と不一致という、一見不思議な現象は、せいぜいここ100年位の間に生まれてきた、比較的新しい現象ということが出来そうです。とは言いながら「時計の1日」基準で暮らしている私にはやはり、今の時期が、体感的に昼が一番短く感じられる時期です。皆さんの「体感」はいかがでしょうか?

                          (「2022/12/06 号 (No.5911) 」の抜粋文)
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プリムラ・マラコイデス ! [ヘッダー画像]

221201no15.JPG
和名:ケショウザクラ(化粧桜)オトメザクラ(乙女桜)
2022.12.01撮影
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