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2021-03-12 [twitter投稿]



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ハナダイコン(花大根)! [ヘッダー画像]

210311no20.JPG
ショカッサイ(諸葛菜)、ムラサキハハナ(紫花菜)   
オオアラセイトウ(大紫羅欄花)の別名あり
2021.03.11撮影
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晦日の月と進朔 [かわうそ@暦]

□晦日の月と進朔
 暦と関係したことわざに「晦日の月」というものがあります。その意味は、「有り得ないこと、馬鹿げたこと」です。さすがに現在では「晦日の月」といってもピンと来ませんが、いわゆる旧暦のような新月から新月の直前までの期間で暦月を決めていた太陰太陽暦が使われていた時代であれば、暦月の終わりの日、つまり晦日には月を見ることが出来ないというのが常識でしたから、「晦日の月」で有り得ないものという意味が了解されたのです。

◇常識必ずしも真実に非ず
 中国生まれの太陰太陽暦は、新月から始まって次の新月の直前の日で終わります。暦月の最後は、29日乃至は30日のいずれかであったので、いつの頃からか「みそか=三十日」と呼ばれるようになりました。晦日は「みそか」と読む以外に「つごもり」とも呼びます。こちらの読みは月が見えないことから、月が籠もって出てこない日、つまり「つきごもり」から出たものです。この言葉からも、晦日は月が籠もって出てこない日と考えられていたことがうかがえます。つまり晦日の月は有り得ないことは常識だったのです。しかし、この常識は果たして真実でしょうか?往々にして常識必ずしも真実ではないということがありますが、この晦日に月が見えないという昔の「常識」もまた、真実ではありません。

◇晦日に月が見える?
 新月の瞬間は日食でもないかぎり月を見ることは出来ません。新月の瞬間に月が見えないのは事実ですが、これと「新月の日に月が見えない」ということは同じではありません。新月の日と言うのは、新月の瞬間を含む日です。例えば新月の瞬間が、 0時01分であっても、23時59分であっても、これを含めばその日は新月の日となります。新月の瞬間からどれくらい時間が離れれば月が見えるでしょうか。二日離れれば見えます。これが三日月です。注意してみると時々その一日前、二日月が見えることがあります。つまり新月の次の日には見えることがあるわけです。例えば、 0時01分に新月の瞬間を迎えたとすると新月の翌日の夕方は新月の瞬間から約1.75日経過しているわけで、こういう好条件のときがあれば新月の翌日でも月が見えることがあるのです。これと同じく、新月の瞬間が新月の日の夕方~夜の時間帯にあったと考えると、その前日の明け方には、月は十分見える可能性があるわけです。もちろんこうした好条件に恵まれたとき以外は、大体晦日に月を見ることは出来ませんので、「晦日の月」が有り得ないものというちょっと事実と違う常識が出来上がったと考えられます。太陰太陽暦のの暦月の晦日に月が見えたって、暦が間違っているわけでも何でもないのです。ですが、それが正しくはないとは云え、広く常識と考えられていること(晦日に月は見えないということ)と一致しないと、なんだかその暦が間違っているのではないかと誤解されることがあったのでしょう。その結果生まれたおかしな規則が「進朔(しんさく)」です。

◇進朔
 既に書いたとおり、新月の瞬間が新月の日の夕方~夜にあるような場合、新月の前日である「晦日」の明け方に月が見えることがあります。これが誤った常識に反するので、これを避けるため新月の瞬間が新月の日の夕方以降に起こる場合、新月の日を本当の新月の日の翌日に進めてしまうとのが進朔です。「朔」は新月の意味ですので

  新月の日を進める→進朔

 と呼ばれるわけです。いつの時点以降に新月の瞬間を迎えたら進朔するか、その区切りとなる時刻を「進朔限」と言います。この進朔限がいつかというと、現在で言うところの18時(夕方の 6時)というのが一般的です。日本で平安時代から江戸時代初期までの 800年以上の期間使われていた宣明暦はこの決め方です。進朔を取り入れることによって「晦日の月」を避けることが出来るようになりましたが、暦を作る立場から考えると晦日に月が出ようが出まいとどうでもいいことで、気にする方がおかしいのですが、世の「常識」の前に進朔という「暦の世界では非常識な規則」が生まれてしまったのでした。ちなみに明日、2021/3/13は新月の日で、旧暦ではこの日から二月に入ることになるのですが、新月の瞬間はいつかというと、3/13の19時21分。宣明暦の進朔限より後ですから、明日の新月は暦の上ではなかったことにして、その次の日、3/14に「進められる」ことになるはず。では、こよみのページの新暦・旧暦変換などではどんな結果になっているかというと

  新暦 2021/3/13 → 旧暦 2/1

 お、進朔、されてないじゃないか!そうです、大変幸いなことに、貞享二年(1685)に宣明暦から貞享暦に改暦されてから以後は進朔という暦の世界での非常識な規則は無くなっているのです。ということで進朔は今は昔の物語りということになりました。目出度し目出度し。(「2021/03/12 号 (No.5277) 」の抜粋文)

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