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2021-04-24 [twitter投稿]



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【鞦韆】(ふらここ、ぶらんこ、ゆさわり) [かわうそ@暦]

【鞦韆】(ふらここ、ぶらんこ、ゆさわり)
 ぶらんこ。ぶらここ。しゅうせん。⇒【ぶらんこ】
 (一説にポルトガル語から) 2本の綱か鎖で吊り下げた横木に乗って、前後に揺り動かす遊具。
 ゆさわり。ふらここ。鞦韆(しゅうせん)。春の季語。「ぶらんこをこぐ」
   《広辞苑・第六版》

 鞦韆と書いて、なんと読みますか?なんて、難読漢字のクイズにでも出てきそうなこの文字ですが、その指すものはおなじみの遊具、ブランコです。この難しい言葉は中国生まれ。元は中国の北方、今でいえばモンゴルなどに当たる地域の遊牧民が行っていた春の祭の遊びだったのではないかといわれます。それが中国春秋時代の斉の桓公が北伐を行った後に北方民族のこの遊びを中国に伝えたものだという説があります。中国では漢唐以後の宮廷には必ずこの鞦韆が供えられていました。中国には冬至から105日目を寒食といい、この日(あるいは、この前後3日間)には火を禁じて、冷たい食べ物だけで済ますという風習があったそうで、この寒食の日には宮廷の着飾った女性達が鞦韆で遊んだそうです。唐の玄宗皇帝は、これを「半仙戯」と呼んで好んだともいわれます。多分ブランコの昇りきった頂点(?)で感じる不思議な高揚感からこんな風に呼んだのでは無いでしょうか。この言葉が春の季語となったのは、日本でもよく知られた中国の詩人、蘇軾(蘇東坡)の春夜の詩、

   春宵一刻値千金
   花有清香月有陰
   歌管楼台声寂々
   鞦韆院落夜沈々

 の結句によるとされます。ブランコ(鞦韆)が春の季語というとなんだか不思議な気もしますが、夕暮れの公園に見かけるブランコを見ると、ブランコ遊びの楽しさと、楽しく遊んだ後に無人で揺れるブランコの寂しげな様子が、春の宵の春愁とどこか通じる気がします。思い過ごしでしょうか?ちなみに、説明の中で登場した冬至から105日目の寒食の日ですが今年2021年にあっては4月4日がその日にあたりました。(「2021/04/24 号 (No.5320)」の抜粋文)
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