SSブログ

正月の準備開始! [かわうそ@暦]

■正月の準備開始!
 本日12月13日は正月事始めの日。煤払いを行ったり正月様と呼ばれる松を迎えに行ったりする日でした。きっと今日の夕方のニュースには、何処かのお寺の煤払いの様子が映像で流れることでしょうね。

◇正月の準備は掃除から
 正月事始めの日に煤払いをするのは、新しい年神を迎えるためにはまず旧年の汚れ、穢れを払うことからと言うことでしょう。お客様をお迎えするためにはまず掃除から。家庭の常識ですかね。今で言えばただの大掃除になってしまいますが、昔の家では照明や暖房、煮炊き炊事に火を使い、煤が家に沢山付いたためでしょうか、大掃除とは言わず煤払いとか煤掃きとかの呼び名が定着しています。煤払いに使う竹竿の先に藁をくくりつけた掃除道具には「煤梵天(すすぼんてん)」などという呼び名までありました。

◇なぜ12月13日に?
 江戸時代の始めまで 800年以上も使い続けられたために様々な行事にその痕跡を残すことになった宣明暦という暦法があります。12月13日が正月事始めの日となったのにもこの宣明暦の影響があります。昔から使われてきた伝統的な暦注の一つに二十八宿があります。現在は中国式に二十八の星宿が順番に循環して行く二十八宿が一般的ですが宣明暦では、二十八宿より一つ少ない二十七の宿で占う二十七宿が採用されていました。二十七宿は、二十八宿がインドに渡った際にインド占星術の影響を受けて変形したもので、それが本家の中国に逆輸入され、さらには日本にまで伝わったものです。ちなみに二十八宿にあって、二十七宿にない星宿は「牛宿」です。二十八宿がインドに渡った間に、牛がどこかに行っちゃった?さて、二十八宿は無限に二十八の星宿が循環するもので、暦注の計算方式では「不断」と呼ばれる方式です。これに対して暦月毎に一日の星宿が決まっていて、あとは二十七つの星宿を順に数えるという方式が二十七宿。暦の計算方式ではこうした方式の暦注を「月切(つきぎり)」と呼びます。旧暦の月毎に順番が変わる方式という意味です。

※ちょっと寄り道
 皆さんおなじみの六曜も月切り。あの先負、仏滅、大安・・・の循環も、旧暦月毎に区切りがあって不連続になります。

 さて、月切の暦注の場合ある特徴があります。それは同じ月日なら毎年その日の月切の暦注は同じになると言うのがそれです。二十七宿(二十八宿も)で最も目出度い日はいつかというと「鬼宿」の日がそれにあたります。この日は何をするにも大吉日だとか(「婚礼はのぞく」とされる場合もありますが)。旧暦の12月の二十七宿でこの鬼宿の日にあたるのは何時かと言えば、そう、既に皆さんが思い描いたとおり、13日。12月13日は宣明暦の使われた時代にはズーッと、大吉日である鬼宿日だったのです。正月を迎えるための準備をこの大吉日である12月13日に始めることで、新しい年をが目出度い年になるようにと言う縁起担ぎですね。ちなみに、二十七宿は旧暦の一月毎に同じ宿の日がおおよそ、2日ずつ前にずれてゆくので、12月の13日が鬼宿日だとすると、一月前の11月の鬼宿日は13日より2日遅い15日となります。11月15日には何かあったかな? と考えると、有りましたね、七五三が。目出度い行事はやはり目出度い日に行いたいものなのですね(おっと、寄り道しちゃった)。

◇江戸城の煤払いはこの日
 江戸時代以前は「正月事始めの日は十二月の中頃の吉日」を選んだもので、必ずしも12月13日と決まってはいなかったそうですが、江戸時代に入り、江戸城の煤払いの日がこの12月の鬼宿日である13日に定まってから、この日が煤払いの日、正月事始めの日として定着しました。最近は、時代劇などでも度々取り上げられる江戸城大奥でもこの日は煤払いが行われました。変わっているのは大奥ではこの煤払いの後でなぜか老女を胴上げするしきたりがあったそうです。江戸の川柳に、

   御つぼねは そっとそっとの 十三日

 というのがありますが、これは普段は口うるさい老女もこの日ばかりは胴上げをあまり乱暴にされないようにと、掃除の仕方を注意する口調もつい優しくなるという、露骨(?)な態度の変化を揶揄した句なのだそうです。今日は12月13日ということで、正月事始めの日、煤払いの日の話を採り上げました。只本日は水曜日、平日ですので現代はこの日に煤払いや大掃除をするというのはなかなか大変。家庭での煤払いはもう少し後の週末に行われるのでしょうね。しないといけないでしょうね、大掃除・・・。

                           (「2023/12/13 号 (No.6283)」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0) 

今日(12/13)のお月様は【新月】です [かわうそ@暦]

◆今日(12/13)のお月様は【新月】。
今日の月は日の出の頃に昇り、日の入りの頃に沈みます。空に昇っている時間は概ね太陽と同じ。日食でも起こさない限り、月の在処はわかりません。旧暦では、この新月の日が暦月の一日(朔日)となります。

◆お月様の基礎データ
・新月の瞬間は 12/13 8時32分 (月齢は 0.0)
 ※新月とは、月と太陽の黄経の角度差が0度となる瞬間です。
・月出:12/13 6時59分 月没:12/13 16時21分 (東京での時刻)
・南中(真南に見える瞬間):12/13 11時41分 (東京での時刻)
・南中時の月と地球の中心距離は 374700 km (平均距離の 0.97倍)。

 月は平均より 10300km近く、見かけの大きさはいつもより少し大きいです。

                           (「お月様のお知らせメール」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0)