SSブログ

冬の夜空のダイヤモンド [かわうそ@暦]

■冬の夜空のダイヤモンド
 本日(2024/2/17)は「天使の囁きの日」とのこと。その説明によると「天使の囁きとは、ダイヤモンドダストのこと」とあります。ダイヤモンドダストは気象では細氷(さいひょう)と呼ぶもので、極めて細かな氷晶が空中を漂ってキラキラ光るものです。ごく寒い地域や高山で見られる現象です。本日はそんなダイヤモンドダストにちなんだ「天使の囁きの日」なのですが私にとっては幸いなことに、ダイヤモンドダストとは無縁の、暖かな日となっています。暖かくて嬉しいのですが困ったことが一つ。それは「『天使の囁きの日』関連で、何かはなしを一つ・・・」と思ったのに、この暖かさでは北国でもダイヤモンドダストが出現することもないでしょうから。「よわったな」なんて思っていたら天使の囁きがダイヤモンドダストのことという、記述に気が付きました。「これだ!」ということで、本日はダイヤモンドダストから思い浮かんだダイヤモンドにまつわる話を一つ(ダストの方じゃなく、ダイヤモンドの話ですけど)。

◇冬の空の三角と六角
 冬も二月の半ばを過ぎ、後半に入りました。冬の星座は明るい星が多いので賑やかですが、その賑やかな星々の中に「冬のダイヤモンド」と呼ばれる星々があります。空の見える星の並びは無秩序ですが、どうも人間は「無秩序」には耐えられないらしく、その無秩序の中に何かの意味のある形を見つけようとします。洋の東西のどちらにも沢山の「星座」が生まれたのにはこうしたことが背景が有るからでしょう。点と点を結んで意味のある形を作るといえば、正三角や正方形と言った幾何学的な形が有ります。星も点ですから星空には

  ○○の大三角
  ○○の四角形

 と名付けられるものが幾つもあります。よく知られたところでは夏の大三角と冬の大三角が有ります。冬の大三角は、

  シリウス(おおいぬ座)
  プロキオン(こいぬ座)
  ベテルギウス(オリオン座)

 の三つを結んで出来る三角形で、ほぼきれいな正三角形です。この冬の大三角は有名ですので小中学校の理科の授業などで、その呼び名を聞いた記憶のある方は多いはずです。さて、この有名な冬の大三角ですが、この「大三角」を包含したより大きな幾何学図形が冬の夜空にはあります。この幾何学図形は六角形。夜空に並ぶこの六角形を冬のダイヤモンドと呼びます。この冬のダイヤモンドは

  シリウス(おおいぬ座)※
  プロキオン(こいぬ座)※
  ポルックス(ふたご座)
  カペラ(ぎょしゃ座)
  アルデバラン(おうし座)
  リゲル(オリオン座)

 の六つの星を結んで出来る六角形です。星の名前の後に※をつけた二つの星は冬の大三角形にも登場する星です。冬の大三角の一辺がやはりその一辺となっている六角形ですから、冬の大三角よりずっと大きな六角形です。ダイヤモンドとしたらかなり豪華なダイヤモンドです。今の時期、晴れた夜空を眺めると、見慣れた冬の大三角からそれを内包したより大きな冬のダイヤモンドを探し出すことが出来ます。

◇冬のダイヤモンド・・・かな?
 「冬のダイヤモンド」なんていうロマンチックな名前に期待して、夜空から前述の六つの星の作る六角形を探してみると、ちょっとがっかりしてしまうかもしれないのがこの冬のダイヤモンド。期待したほどきれいな六角形では有りません。どおりで随分と長いこと空を見上げる生活をしていましたが「冬のダイヤモンド」が印象に残らなかったはず。少々ゆがんだこの六角形が私の気にはいらなかったからでしょうか。まあ、三角形と違って六角形ともなれば偶然にきれいな形が出来る確率はグンと下がるでしょうから、あんまり目くじらを立てちゃいけないのかも知れませんね。この冬のダイヤモンド、今の時期であれば、午後 8時~ 9時頃に真南から天頂(真上)辺りまで広がった大きな六角形として見えます。どのくらいきれいな(あるいはゆがんだ)六角形か、皆さんも空を見上げて確認してみてはいかがでしょう。今夜辺りですと、お月様が冬のダイヤモンドの直ぐ西側に輝いているはずです。明日~明明後日は月はこの六角形のなかを通過するはずですので、月を目当てに探すことも出来るでしょう。「え、ダイヤモンドなんかには見えないよ?」「いやいや、ダイヤモンドに見えるじゃないか!」こんな会話からでも、星を見上げるきっかけにはなるかも知れませんから。

                           (「2024/02/17 号 (No.6349)」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0) 

今日(2/17)の夜空に見える月は【上弦の半月】です [かわうそ@暦]

◆今日(2/17)の夜空に見える月は【上弦の半月】。
上弦の月は日が暮れる頃は、真南の空の高いところにあり、日付が切り替わる頃に、西の地平線に沈んでゆきます。旧暦日による呼び名では【八日月】です。

◆お月様の基礎データ
・上弦の半月の瞬間は 2/17 0時 1分 (月齢は 6.7)
 ※上弦の半月とは、月と太陽の黄経の角度差が90度となる瞬間です。
・月出:2/17 10時42分 月没:2/18 1時51分 (東京での時刻)
・南中(真南に見える瞬間):2/17 18時13分 (東京での時刻)
・南中時の月と地球の中心距離は 384700 km (平均距離の 1.00倍)。

 月は平均距離付近にあり、見かけの大きさも平均的です。お月様、見えるでしょうか?見えるといいですね。(「お月様のお知らせメール」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0) 

KAGAYA (‏@KAGAYA_11949) [twitter投稿]


nice!(0)  コメント(0) 

二つの西行忌 [かわうそ@暦]

□二つの西行忌
 今日2/16は桜と旅の歌人として知られる僧、西行の忌日。西行忌です。西行が亡くなった日付は文治六年二月十六日であったことから、西行忌とされています。ところで、昨日2/15も「西行忌」となっていたような?これは何かの間違いでしょうか。

 【忌日】(きにち)
  1.その人の死亡した日と日付の同じ日で、毎年または毎月回向(えこう)などする日。
   命日。きじつ。
  2.人の死後七日七日(なぬかなぬか)に当たる日。
   《広辞苑・第六版》

 忌日を辞書で意味を調べると、このような意味になります。この意味からすると、西行の亡くなった文治六年二月十六日と同じ日付である2/16、つまり今日が西行の忌日ということになります。では、昨日の2/15の西行忌は間違いか。毎日毎日、山のような(←一応、誇張しています)隅掘り隊報告によって、誤字脱字の指摘のあるかわうその書くものですから、間違っているのかも。そう思われても仕方がないですが、2/15の西行忌の件に関しては慌て者のかわうその間違いというわけではありません。

◇2/15は西行の願った日
 西行の有名な歌

  願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃

 によれば、西行は「出来ることなら、きさらぎ(如月・二月)の望月の頃(十五夜の頃・太陰暦の15日頃)に桜の下で死んでゆきたい」と願ったことがわかります。実際の命日が2/16ですから、西行の願いはほぼ適ったといえます。惜しむらくは15日ではなく 1日違いの16日であったこと。わずか 1日の違いであれば、西行を偲ぶ日である西行忌は西行の願いのとおり2/15としてもよいではないか。こうした考えから、実際の命日とは異なるもう一つの西行忌ができました。

◇2/15を西行が願ったわけ
 桜を愛した西行が、「願はくは花の下にて春死なむ・・・」と歌ったことから、2/15という日付は愛する桜の花とそれを照らす月明かりのある日をあらわしたものとだけとらえられがちですが、2/15という日をその人生最後の日として願ったのはそれだけの理由ではありません。忘れてはいけないのは西行が仏僧であったということです。2/15の記念日には西行忌と並んで、涅槃会という文字が見えます。涅槃会とは釈迦が入滅したと考えられる日付をあらわしています。仏僧として生きた西行が死の日付を選べるとしたら、釈迦入滅の日を選びたいというのはしごく当然と云えるでしょう。大好きな桜の花の咲く季節で、その桜の花を照らす月明かりがある頃と云うことであれば十五夜の日であっても、翌日の十六夜の日であってもよいでしょうけれど、さらに涅槃会という日を考えると、2/15を西行忌として西行を偲ぶ日にしてよいのではないかと考えた人の考えも理解できます。

◇西行忌はいつ?
 西行の命日は2/16。忌日が命日というのであれば2/16と云うことが正解ということになるでしょうが、では2/15は間違いだと云えるでしょうか?忌日が亡き人を思い出し、偲ぶための日であるなら、命日だけが正しいとは云えないでしょう。 西行が願った西行らしい日を忌日と考えるのもまた正解だと思います。桜の咲く頃の満月の日はいつも西行の忌日なのかもしれません。忌日が複数出来てしまったということは、それだけ多くの人がそれぞれに西行を偲んだことの現れだとも考えられます。どれが正解ではなく、それぞれがそれぞれの日に西行のこと、桜のこと、月のこと、釈迦のことを考える日とする。忌日や記念日なんてそんなものなのかもしれませんね。

                           (「2024/02/16 号 (No.6348)」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0) 

ルピナス ! [ヘッダー画像]

220211no46.JPG
和名:ハウチワマメ(葉団扇豆)ノボリフジ(昇り藤)
2021.01.29撮影
nice!(0)  コメント(0) 

今日はバレンタインデーの話 [かわうそ@暦]

□今日はバレンタインデーの話
 今日はバレンタインデー。今や盆と正月と並に年中行事として定着した感のあるバレンタインデーなので「またこの話か」とは思いつつ、書かないわけにも行かないかなと、世間の流れに流されて、バレンタインデーの話を書くことにします(私の座右の銘は「長いものには巻かれろ」・・・)。

◇聖バレンタインデー
 バレンタインデーは「聖バレンタインデー(Saint Valentine's Day)」といわれます。このように「聖××」という場合はだいたいにおいてキリスト教の祭日だったりします。バレンタインデーもその通りで、一応はキリスト教の祭日でありました。(「祭日でありました」と書いたのは、ローマ・カトリック教会は1969年にこの聖人を祝日リストから削除しているためです。)聖バレンタインと呼ばれる聖人については、3世紀頃殉教したキリスト者であるとされます。西暦270年頃、アイルランドのカトリック教徒バレンティヌス(英語読み、バレンタイン)がローマ皇帝クラウディウスによりとらえられ処刑された。バレンティヌスが処刑され理由は、若者が戦争へ行きたがらない風潮に手を焼いていた皇帝クラウディウスが、若者が戦争に行きたがらないのは家族や恋人、妻たちと離れるのが嫌だからだと考え、それなら結婚を禁止してしまえと、作った若者の結婚を禁止する法律に違反したからと言われています。「結婚禁止」といきなりいわれても「はいそうですか」とはなかなか言えませんから、こっそり結婚をという者も出てきて、キリスト教の司祭であったバレンティヌスがこうした結婚したい若者たちの願いを叶えてやったというのが、この法律に触れたわけです。当時キリスト教は禁教であったため、バレンティヌスは棄教を迫られたが、これを拒否したため、処刑される結果となったのです。この日付が2月14日。このバレンティヌスはその死後1400年後、17世紀に入りカトリックの宗教会議において「聖人」の列に加えられたことから「聖(セント)バレンタイン」と呼ばれることになりました。ただ、バレンティヌスのこうした話は1人だけの話ではなくて、モデルとなった2人あるいは3人の話が混ざり合って出来上がったもののようです。これで無事に、2月14日がなぜバレンタインデーになったかお解りいただけたことでしょう。めでたしめでたしです。

◇バレンタインデーとチョコレート
 バレンタインデーが「愛の告白の日」となったことに関しては、ローマでそれ以前からあった豊穣神の祭り、ルベルカリアの風習との融合であると説明されている。この祭りの行われる2月15日に女性の名前を書いた籤(くじ)を作り、翌日その籤を引いた男性と、その女性が一年間交際するという今から見れば「奇習」がありました。496年に時の教皇ゲラシウス一世がこのルベルカリアの風習を放埒なものとして禁止し、替わりに殉教者バレンティヌスの事跡と結びつけて教会の祝日とし、それが愛の告白の日となって今に残ったものだ。今でも欧米ではバレンタインカードを贈る(花束や菓子などに添えて)習慣が有ります。さて、最後に残された問題、なぜ「チョコレート」かであるが、これはチョコレート会社の販売促進戦略の勝利というのが有力です。「バレンタインデーにはチョコレートを贈ろう」と東京都内のデパートで行われたキャンペーンが発端だそうだ(1958年のこととか)。これがいつしか年中行事となって現在に至る。よってこの習慣は日本独自なもの。実際、キリスト教の盛んな国々でも贈り物が「チョコレート」と決まっているわけではありません。贈り物がチョコレートという比率が最も高いのはひょっとしたら日本かも?信仰を守って殉教したバレンティヌスが現在の日本の有様を見たらどう思うかは知る由もありません。

                          (「2024/02/14 号 (No.6346) 」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0) 

KAGAYA (‏@KAGAYA_11949) [twitter投稿]


nice!(0)  コメント(0)