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八重咲オキザリス ! [ヘッダー画像]

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2022.01.18撮影
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【東風】(こち) [かわうそ@暦]

【東風】(こち)
 (「ち」は風の意)春に東方から吹いて来る風。ひがしかぜ。春風。こちかぜ。春の季語。
拾遺和歌集雑春「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花」 《広辞苑第七版》

 東風は春を運ぶ風として和歌などに盛んに用いられた雅語です。春は東風に乗って訪れると考えられていたのです。用例にあった「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花」は、太宰府への配流が決まった時、菅原道真が自宅の梅を眺めて詠んだ歌で、最後まで書けば「東風吹かばにほひをこせよ梅花主なしとて春を忘るな」となります。ちなみにこの歌に詠まれた梅の木は、道真を追って太宰府まで飛び、道真を慰めたという飛梅伝説があります(この飛梅は、筑紫安楽寺、現太宰府天満宮の庭にある梅の木だとされます)。東風を「こち」と呼ぶその語源は、瀬戸内海の漁師言葉だとする説があります。瀬戸内には「鰆(さわら)ごち」「雲雀(へばる)ごち」「梅ごち」「桜ごち」「こち時化(しけ)」といった「コチ」を含む言葉があるそうです。もっとも東風時化の言葉があるように、漁師さんからすると東風は荒れる風の意味が強いようで、あまり歓迎される風ではないようです。さて、立春を過ぎたばかりの現在吹く東風は梅の花を運んでくる梅東風でしょうか? 梅東風が終われば次は桜東風。様々な東風が吹く度に、野山は春らしさを増して行くのでした。

                          (「2024/02/06 号 (No.6338) 」の抜粋文)
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