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今日はバレンタインデーの話 [かわうそ@暦]

□今日はバレンタインデーの話
 今日はバレンタインデー。今や盆と正月と並に年中行事として定着した感のあるバレンタインデーなので「またこの話か」とは思いつつ、書かないわけにも行かないかなと、世間の流れに流されて、バレンタインデーの話を書くことにします(私の座右の銘は「長いものには巻かれろ」・・・)。

◇聖バレンタインデー
 バレンタインデーは「聖バレンタインデー(Saint Valentine's Day)」といわれます。このように「聖××」という場合はだいたいにおいてキリスト教の祭日だったりします。バレンタインデーもその通りで、一応はキリスト教の祭日でありました。(「祭日でありました」と書いたのは、ローマ・カトリック教会は1969年にこの聖人を祝日リストから削除しているためです。)聖バレンタインと呼ばれる聖人については、3世紀頃殉教したキリスト者であるとされます。西暦270年頃、アイルランドのカトリック教徒バレンティヌス(英語読み、バレンタイン)がローマ皇帝クラウディウスによりとらえられ処刑された。バレンティヌスが処刑され理由は、若者が戦争へ行きたがらない風潮に手を焼いていた皇帝クラウディウスが、若者が戦争に行きたがらないのは家族や恋人、妻たちと離れるのが嫌だからだと考え、それなら結婚を禁止してしまえと、作った若者の結婚を禁止する法律に違反したからと言われています。「結婚禁止」といきなりいわれても「はいそうですか」とはなかなか言えませんから、こっそり結婚をという者も出てきて、キリスト教の司祭であったバレンティヌスがこうした結婚したい若者たちの願いを叶えてやったというのが、この法律に触れたわけです。当時キリスト教は禁教であったため、バレンティヌスは棄教を迫られたが、これを拒否したため、処刑される結果となったのです。この日付が2月14日。このバレンティヌスはその死後1400年後、17世紀に入りカトリックの宗教会議において「聖人」の列に加えられたことから「聖(セント)バレンタイン」と呼ばれることになりました。ただ、バレンティヌスのこうした話は1人だけの話ではなくて、モデルとなった2人あるいは3人の話が混ざり合って出来上がったもののようです。これで無事に、2月14日がなぜバレンタインデーになったかお解りいただけたことでしょう。めでたしめでたしです。

◇バレンタインデーとチョコレート
 バレンタインデーが「愛の告白の日」となったことに関しては、ローマでそれ以前からあった豊穣神の祭り、ルベルカリアの風習との融合であると説明されている。この祭りの行われる2月15日に女性の名前を書いた籤(くじ)を作り、翌日その籤を引いた男性と、その女性が一年間交際するという今から見れば「奇習」がありました。496年に時の教皇ゲラシウス一世がこのルベルカリアの風習を放埒なものとして禁止し、替わりに殉教者バレンティヌスの事跡と結びつけて教会の祝日とし、それが愛の告白の日となって今に残ったものだ。今でも欧米ではバレンタインカードを贈る(花束や菓子などに添えて)習慣が有ります。さて、最後に残された問題、なぜ「チョコレート」かであるが、これはチョコレート会社の販売促進戦略の勝利というのが有力です。「バレンタインデーにはチョコレートを贈ろう」と東京都内のデパートで行われたキャンペーンが発端だそうだ(1958年のこととか)。これがいつしか年中行事となって現在に至る。よってこの習慣は日本独自なもの。実際、キリスト教の盛んな国々でも贈り物が「チョコレート」と決まっているわけではありません。贈り物がチョコレートという比率が最も高いのはひょっとしたら日本かも?信仰を守って殉教したバレンティヌスが現在の日本の有様を見たらどう思うかは知る由もありません。

                          (「2024/02/14 号 (No.6346) 」の抜粋文)
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