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2021-01-01 [twitter投稿]



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鏡餅とお年玉 [かわうそ@暦]

□鏡餅とお年玉
 明けましておめでとうございます。2006年10月に創刊した日刊☆こよみのページにとっては、今年は15回目の新年ということになります。まさかこんなに続いていようとは・・・。予想外に長寿のメールマガジンになりました。まずは目出度いということにしておきましょう。さて、目出度い日刊☆こよみのページの元日のこぼれ話は、やはり目出度いものの話からということで、鏡餅とお年玉の話とさせて頂きます。

◇餅つきと鏡餅(かがみもち)
 お正月の食べ物と云えば、真っ先に思い浮かぶのは「餅」。やはり日本のハレの行事に欠かせない食べ物が「餅」ですね。さて、「お正月といえば餅」の餅ですが、本当はお正月のためにつく餅は、私たちが食べるための餅ではなくて、神様仏様にお供えするためのお供え餅でした。もちろん、私たちが食べるための餅もありますが、これはあくまでもお供え餅をつくついでについたもので、それが主ではありません。その正月の餅つきの目的である神仏へのお供えの餅こそが、鏡餅です。正月用の餅をつく場合、餅をつくための臼の下に藁をひきます。また所によっては臼自体に注連縄(しめなわ)をはったりもするそうです。臼に注連縄を張ることを見れば分かるとおり、正月の餅つきはそれ自体が既に神聖な行事であったのです。本来の正月の餅つきが神仏に供える餅をつくためのものだったのですから、それも当然です。神様仏様に穢れたものを供えるわけにはいきませんから。こうしてつかれた餅が、鏡餅となりました。私たちがお正月にいただく餅は、この神様用の鏡餅を作ったついでに作られた餅だったのです。現在は、鏡餅も鏡餅のついでにつかれた我々の食べる餅もどちらも同じ米(餅米)を使いますが、米が貴重であった時代には、神仏用は米、人間用は黍や粟などの餅という具合に材料を異にした餅が作られていました。もちろん、お米に余裕があるような裕福な家では、全部米ということもあったでしょうけれども、それは例外的。

◇鏡餅の形と名前
 鏡餅といえば、形は丸くて平べったいもの。また、一つではなくて必ず二つ以上の餅を積み上げた形となったものですね。丸い形は「タマ」をあらわしています。「タマ」は、神霊をあらわす「霊(タマ)」の形であり、生命の根元である「魂(タマ)」の形だと考えられます。この神霊をあらわす丸餅を二つ以上積み上げるのは、神霊へのお供えを奉る行為をあらわすと考えられます。奉る(たてまつる)は供物を縦に並べて祀るという行為をあらわす言葉だそうで、餅を積み上げる行為はまさに縦に並べて(積み上げて)祀る行為なのです。さて、こうして神霊の形を象った餅を奉った鏡餅の名前ですが、この「鏡」もやはり、神霊の権威をあらわすものと考えられます。神社が祭礼の際に鏡を掲げたり、鏡自体をご神体としたりするように、鏡は神霊の権威をあらわすものです。鏡餅は、単に神霊に供えられたものというのでは無く、神霊がその中に宿りそれ自体が、祭られる存在になると考えられますので、神霊がそこにあることを示す「鏡」という名で呼ばれるようになったのでしょう。

◇お年玉
 いただける立場の子供の頃は正月の楽しみであり、あげる立場になった大人になってからは正月の頭痛の種(・・・)となるお年玉ですが、このお年玉も本来は、正月の餅と関係したものでした。正月の餅のことを「年取り餅」と呼ぶことがあります。現在は年齢といえば満年齢であり、年をとる日は一人一人の誕生日ですが、昔は誕生日など関係なく、正月になるとみんな一斉に年をとる数え年で年齢を数えていました。この時代は、正月の餅を食べると一つ年をとったと数えられたわけです。正月のお節の膳に必ず丸餅をつけ、これを「年玉」と呼ぶ地方があるそうです(済みません、どこの地方かまで調べ切れませんでした。ご存じの方があれば、教えてください)。これがお年玉の元々の姿だと考えられます。神霊の宿る丸い餅を食べると云うことは、命を繋ぐための食物を得ると同時に、神霊の力も分け与えられて、新しい一年を生きる生命力を得る行為だと考えられます。お年玉は、年神のタマ(霊・魂)を分け与えて頂くものという、とても有り難いもので、これをその家の家長が家人一人一人に授ける、これがお年玉だったのです。子供の頃にもらったお年玉も、とっても有り難かったですけれど、その有り難さとは、ちょっと次元が違う有り難さですね。ただ、いくらこんな有り難い「お年玉本来の姿」を説いても、丸餅一つでお年玉をもらったとは、子供たちは思ってくれないでしょうね。今日は、2021年の最初の暦のこぼれ話。多少は厳かな雰囲気に浸ることが出来たでしょうか?(「2021/01/01 号 (No.5207) 」の抜粋文)

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