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干支は「えと」、十二支も「えと」? [かわうそ@暦]

□干支は「えと」、十二支も「えと」?
 今年の「えと」は・・・年明けの頃にはこうした話が出ることがあります。そんな話が出ると言うことは、今は「干支」の話をする旬の時期であると勝手に考え、本日はなぜ「干支」が「えと」になったかという話を書くことにします。

◇まずは辞書から
【干支】(えと)(「兄え弟と」の意) 
1.十干十二支。十干を五行(木・火・土・金・水)に配当し、陽をあらわす兄(え)、陰をあらわす弟(と)をつけて名とした、甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)に、十二支を組み合わせたもの。甲子(きのえね)・乙丑(きのとうし)など60種の組合せを年・月・日に当てて用いる。
2.十二支。年、特に生年や方位・時刻に当てる。「今年の干支は丑(うし)だ」
  《広辞苑・第六版》

 コトノハ風ではありますが、ここは暦のこぼれ話です。お間違え無く。さてさて、干支と書いて「えと」と読む、あるいは十二支を「えと」というのはなぜだろう、まずはコトノハ風に辞書の説明から謎解きを始めることにいたします。

◇干支・十二支で「えと」と読む謎
 「ことしの干支(えと)は、ウシです」(← 2021年の例)現在の干支の使い方としては、こんな例が一番多いのではないでしょうか。辞書の説明では 2の十二支(じゅうにし)に当たる使い方です。

   えと = 十二支

 だと思っている方も多いのでは?ですが、普通に考えて「十二支」を「えと」と読むことは難しい。もっとも「干支」と書いて「えと」と読むのも難しいですけど。辞書の説明の最初にもあるようにこの「えと」という読み方は「兄弟」から来ているわけです。

◇十干と兄(え)弟(と)
 辞書の説明 1のとおり、干支とは十干十二支の略。そのうちの十干を陰陽五行説に当てはめて説明すると

  甲(木の兄)・・・癸(水の弟)

 のようになります。この「兄」と「弟」が陰陽説でいう陽と陰を表した言葉。十干はちょうど五行(木・火・土・金・水)の種類の倍の数ですから、五行をさらに陰陽の二種に分割して説明するとちょうど具合がよいので、本来は、十干の「甲」とか「乙」の性質を陰陽五行説で表した「木の兄」「木の弟」の読みそのもので元々の十干の読みまで表すようになってしまいました。「甲」の一文字で「きのえ」と読む不思議な読み方はこうして生まれました。ちなみに、十干の陰陽と五行を見てみると

  陰陽・・・陽:甲丙戊庚壬  陰:乙丁己辛癸
  五行・・・木:甲乙 火:丙丁 土:戊己 金:庚辛 水:壬癸

 となります。兄弟と関わりのある陰陽に着目すると甲乙丙丁戊己庚辛壬癸は陽陰陽陰・・・、つまり兄弟兄弟・・・と並ぶことからいつしか十干は兄弟(えと)と呼ばれるようになりました。

◇十二支と兄(え)弟(と)
 十干がなぜ「えと」かの説明の後は十二支がなぜ「えと」かです。十二支は元々は暦月の順番を表す一種の数詞です。陰陽五行説は陰陽と五行によって森羅万象全てを説明しようとした説ですので、十二支もその例に漏れず陰陽五行説で次のように分類されます。

  陰陽・・・陽:子寅辰午申戌  陰:丑卯巳未酉亥
  五行・・・木:寅卯 火:巳午 土:丑辰未戌 金:申酉 水:子亥

 さて、ここでひとまず五行の方はひとまず置くとして、陰陽の方だけに着目してみて下さい。「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の陰陽を見てゆくと、陽陰陽陰・・・と交互に陰陽が割り振られているのがわかります。つまり兄弟兄弟・・・と繰り返されることから十二支もいつしか、「えと」と呼ばれるようになりました。

◇干支は「えと」と「えと」の組合せ。
 干支の構成要素である十干も十二支も「えと」ならば、両方合わせた干支もいつしか「えと」と呼ばれるようになり、普通では考えられない

  干支 = えと

 という読みが定着してしまったというわけでした。干支も十二支も(影が薄いですが十干も)いずれも別名は「えと(兄弟)」になってしまったという話でした。(「2021/01/13 号 (No.5219)」の抜粋文)

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2021-01-13 [twitter投稿]



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ラナンキュラス (ラックス)! [ヘッダー画像]

210111no30.JPG
撮影日:2021.01.11
JA直鞍なのはな畑
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今日(1/13)のお月様は【新月】です [かわうそ@暦]

◆今日(1/13)のお月様は【新月】。
今日の月は日の出の頃に昇り、日の入りの頃に沈みます。空に昇っている時間は概ね太陽と同じ。
日食でも起こさない限り、月の在処はわかりません。旧暦では、この新月の日が暦月の一日(朔日)となります。

◆お月様の基礎データ
・新月の瞬間は 1/13 14時 0分 (月齢は 0.0) ※新月とは、月と太陽の黄経の角度差が0度となる瞬間です。
・月出:1/13 6時54分 月没:1/13 16時41分 (東京での時刻)
・南中(真南に見える瞬間):1/13 11時46分 (東京での時刻)
・南中時の月と地球の中心距離は 373800 km (平均距離の 0.97倍)。

 月は平均より 10600km近く、見かけの大きさはいつもより少し大きいです。(「お月様のお知らせメール」の抜粋文)
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